京都は街自体が一軒の巨大なカフェだ
★★★★☆
書店の京都本コーナーでおすすめされていたので購入しました。
サイズは小さくて持ち運びに便利です。
こちらの本では、京都のカフェの源流から河口までがかわります。
京都に昔からある老舗と呼ばれているカフェも、現代的なカフェも、
すべて魅力的です。
著者は東京の方ですが、東京の人から見た「京都」がよく表現され
ていると思いました。
街自体が一軒の巨大なカフェ
★★★★★
文庫サイズなので、持ち運びに便利。オールカラーで著者自身による写真が美しい。京都を訪れた際、行ってみたくなりました。歴史を感じさせる風情は、京都ならでは。
京都のおっちゃん
★★★★★
昨年夏に、目的もなく「夏の京都なんて旅行代金は安いけど・・どうなの?」という思いで何年ぶりかで行ってきました。寺社や仏像めぐりはそこそこに、街を歩く歩く・・。心地よい疲労感とともに今までにない京都感をたっぷり味わえた気がします。
この本を知ったのは、その後、著者がラジオで自作を語ってらした番組でした。旅行前なら良かったのにと残念でした。有名老舗店のイノダコーヒー、前田珈琲と行きましたが、特にイノダコーヒーはご近所の常連さんらしき人は、新聞や本を、大学の教授と学生さんなどはパソコンを広げてと・・羨ましくなる空間でした。著者が「おっちゃん」と書かれていましたが、思わず田辺聖子さんの使われる「おっちゃん」と重なります。おじさん密度の高いのも京都のカフェの特長では?呑口の厚い独特のコーヒーカップも濃い目の甘い味にピッタリで「歴史がちがうなー」と感服。
本のなかの写真はどれをとっても行って見たくなります。しかし、観光客がふらりと行って窮屈な思いをしないで済むかは・・?。次の旅行にはこの本を持っていきます。いい本に出会えました。
追記:スマート珈琲
27日に京都に行ってきました。朝、スマート珈琲に直行したところすでに満席。すぐに座れてホットケーキとフレンチトーストと珈琲を朝食にいただきました。入り口に近いところに焙煎機がありご主人がたくさんの豆を、時々豆を手にとりながら焙煎されていました。1枚の絵のように決まっていました!イノダさんの珈琲より酸味がありすっきりした味。ホットケーキもおいしかった、でも、隣の席の卵サンドのおいしそうなことといったら、本当のオススメはサンドイッチかもしれないです。あんなにたくさんの珈琲が必要なわけは、お昼にいってわかりました。道に溢れるほど行列。ランチも有名なところなのですね。
著者のカフェへの愛情と見識が成せる内容だが、一方で過度な期待は禁物
★★★★☆
知っている人には説明不要かと思いますが、有名サイト「東京カフェマニア」の主宰者の、川口葉子氏が書いた、京都のカフェ本です。
本書に紹介されているお店一つ一つに、お店の由来や成り立ち、店に関わる人の思いや歴史等々が、氏のカフェへの愛情や見識と共に記されており、単なるカフェ・喫茶店のグルメ本とは、明らかに一線を画すものです。地元の人でも、ここまで、お店のことを掘り下げて知っている人は少ないのではないでしょうか。
で、本書を参考に、実際に幾つかのお店を訪れてみました。気づいたことが一つ。
氏は、カフェをこよなく愛する好事家?という立場で本書を書いていて、冷徹な消費者の視点からの批評はしていない、ということです。平たく言えば、「いいことしか書いていない」ということです。
私が実際に訪れてみると、例えば、珈琲をオーダーしてから出てくるまで30分もかかるお店、ちょっと風が吹くたびに、ドアがガタガタと大きな音を立てる店、ソファーの布がすり切れているお店、客が座りたいと言っている席に座らせてくれないお店、等々、客の立場から見たら「えっ?こんなお店なの?」とがっかりしてしまうことが、しばしばありました。
本では見事なまでに素晴らしく、お店を紹介されているので、その内容が全てと思ってしまうと、期待値と現実の落差という、あまり会いたくないものに会うと思います。
ただ、そういった面はあっても、本書が素晴らしい京都のカフェ案内本であることは疑いようもなく、カフェが好きな方、京都が好きな人は、是非本書を購入して頂き、京都のカフェに思いを馳せて頂きたいと思います。
この値段がバーゲンプライスに思える、内容の濃い一冊です。
上質のカフェと同様 居心地の良さが伝わってくる内容と写真
★★★★★
京都の喫茶店を紹介する本やムックの出版はひっきりなしで、現在入手できるものだけでも数十点はあるでしょう。その激戦区とも言える京都の喫茶本の中でも、本書の喫茶店の選定の確かさと綴られているエッセイの温かさと読みやすさは、群を抜くもので、カフェ本の1級品でした。文庫ですので京都観光のお供にしても邪魔になりませんし、著者の川口葉子さん自身による美しい写真のお蔭でカフェの特徴や室内の雰囲気がストレートに伝わってきます。
著者はウェブサイト「東京カフェマニア」を主宰され、1000軒以上のカフェを訪れているという審美眼と見識が本書の確かな記載内容に反映されていました。
老舗の喫茶店の的確な捉え方はその通りで何も言うことはありません。94ページ掲載のCC`Sの紹介の中で、詩人の草野心平がシーシーズのフルーツケーキに捧げた詩が掲載してありました。今までこの店の紹介にこの詩や初代オーナーのシド・コールマンに触れている記載をほとんど知らなかったこともあり、大変参考になりました。
フランソア喫茶室の歴史に関しても初代オーナーの考え方や生き様に言及され、それと現在のお店のあり方への流れがうまく書かれていますので、訪れる人もその歴史の中で珈琲の香りを嗅ぐことになるのでしょう。
冒頭の直珈琲などの新しいカフェも丹念に追いかけて掲載しています。東京在住の方なのにこの選定「鮮度」には驚きました。本屋でこの本と出合った時、立ち読みで十分と思いながら引き込まれていき、気がつけば欲しくてたまらなくなったという状態にさせてくれるものです。京都好きにはお勧めします、本当に。