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IT革命―ネット社会のゆくえ (岩波新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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ITで何がしたいのですか? ★★★★★
きちんとした情報源、理論的組み立て。
ITの専門家でない人が読むのには、よい本だと思います。
また、IT業界にいるのに、一部の仕事しかしていない人が、全体を見渡すのにもよいかもしれません。
それで何がしたいんですか?ということが、見えてきません。
失敗に終わった野心作 ★★☆☆☆
 ITを通じて今後引き起こされるであろう事象を社会学、建築学などの観点も踏まえ、大胆に予測した野心作ではあるが、失敗に終わったように見える。
 全体で5部構成となっているが、3章までのITの本質や、その進展による影響の分析の的確さに比べ、4章以降の考察は、論点の飛躍が大きく、また議論も整理できていない。
 以下、章ごとに概要をまとめると。
 第1章の「IT革命とは何か」で、ITの本質、すなわち、情報流の双方向性、情報と通信の融合等により、これまでの工業化社会の中で築かれてきた秩序やルールは大きく変わる可能性があること。
 第2章の「今何が起きているか」、第3章の「メディアビッグバンで変わる」では、現状及び今後進展するであろう事象をわかりやすく紹介している。
 第4章では、ネット社会では、互酬経済の発展の可能性もあることから、こうしたネットのプラスの面を引き伸ばしていく施策が求められるとした上で、第5章の「情報都市をめざして」で、その解決を目指す居住都市ー情報流と物流の乖離を抑えるため、物理的な空間の縮小を図るー2次元的に拡がる都市空間から3次元的な立体空間への変革を目指す超高層都市を提言するのである。

 これは第4章の互酬経済が発展する可能性と、リアルとバーチャルな空間の統合によって生まれてくる新たなパラダイムから話が展開されるのであるが、一番大きな問題点は、バーチャルな空間で共通のテーマを持ったオンライン共同体に集まる人たちと、リアルな居住空間に住む人たちとの整合性が図られていないことである。著書は、ある特定のテーマで集まった人たちだけで、新しい共同体を構成せよというのか。

 そうではなく、共同体について、実社会の様々な要素を包含する必要性のあることを認めるというのならば、一つのテーマから、自らの生存を賭けることのできる共同体へといかに発展させていくのかについての議論こそが枢要であるといわざるを得ない。

 誰もがITの恩恵を享受できる社会を目指すには、確かに超高層な社会というのは、インフラ構築上、一つの解決策であるが、リアルとバーチャルの統合という視点から引き出すには、枢要な論点がかけているように見える。 
今だから価値のある『IT革命』理論 ★★★★★
初版が2001年ということで、グーグル論やWEB2.0論花盛りの現在に読む必然性はないように感じる方が殆どだろう。
しかし、その「IT革命」というそそらないタイトルのみで判断して敬遠してはならない。
昨今のIT●通信●情報●メディア論で展開される議論を、本書を読みながら俯瞰してみると、
いかに著者が深く精緻な考察を加えているかが分かるだろう。
理系出身の著者が文系的な問題意識と先見性を持って、政治学、動物学、社会学、歴史的観点から
メディア論とネット社会のゆくえについて考察を加えた本書は、卓越した構成と平易な文体も手伝い、
非常にテンポ良く読み進められる。
我々が同時代的に現在進行形で経験している情報革命は、ともすれば技術面に偏った各論に陥りがちである。
また、その各論は往々にして近視眼的でもある。
現在のIT●メディア議論で、混乱している方。もう何が何だか分からないよという方。
WEB2.0って何?という方。WEB進化論やグーグル論などを、本書片手に読めば一挙に理解が進みます。
言葉遊びに振り回されないITメディア議論の『本論』が本書である。オススメです。
いささか古い ★★★★☆
この本は2001年に、その当時日本社会で大きな話題となっていた、IT革命について、
ネット社会の現状とその将来の予想を中心に書かれている。全5章で章立てされており、
それぞれの章でIT革命、情報技術(Information Technology)自体の解説から始まり、
社会で起きているIT化、ITに対する人々の考え方や行動、そして人々が集まる都市で
応用される情報技術の予測が、細かく区切られた話題を寄せ集めまとめられている。

これを高校の卒業論文の参考文献に推薦している所を
見かけるが、やはり推薦するには、いささか古い本ではないかと思う。
IT社会で論ずべき点は物質と情報。それによってIT革命が行われているとかかれている。
全体的な事は2001年度に書かれていても、2006年現在とさほど変わらない。
通信と放送など、現在のIT情勢を的中させるものある。
しかし、細かい内容を読み進めていると、技術的に古い話題が多い。
IEEE1394やBluetoothなどをその当時に書いてる事を評価するが、
現在話題になっている、P2P技術や著作権の問題、オンラインゲームなど
今となっては書き加えないと、現在のままでは、いささか面白みに欠けると思う。

小さな話題をまとめて大きくしているこの本をみると、
数年前にタイムスリップした気分になる。
IT革命がもたらすもの-共同体の新しい形の出現と物的世界の遅れ ★★★★☆
本書は、IT革命の本質を著者なりの視点から見つめ直し、IT革命によって大きく変化していくであろう社会において、今後どんなことが生じる可能性があり、それに対して、どういった対応策をとるべきかを提示する書である。
こうした問題意識については、既にあらゆるところで議論されてきたが、著者はこうした議論は、そのほとんどが短期的な視点に止まるものであり、IT革命の本質を突いた長期的な視点にたった議論を展開できていない、という。
本書は、これまでのIT革命の議論の問題点を指摘し、現在生じているIT革命の現実を紹介している。それらを議論した後、本書の主張が展開されるのだが、その内容は次の点である。第1に、そもそも人間は共同体なくしては生きられないという前提にたち、IT革命による、これまで工業社会を支えてきたメディアの変革によって、工業社会で形成された共同体とは異なる新たな共同体ができ、その共同体がもつ社会的な意識・欲望・価値観がこれまでの生産や消費のありさまとは異なった市場経済一偏等だった社会から、贈与・互酬経済のウェイトも高めるような社会へ変化していく、ということである。そこでは、生産者と消費者の間で形成される体験・サービスに対して対価が支払われ、消費者一人一人に対する思いやりなどを通じて贈与・互酬行為が形成されていく、ということである。
第2に、IT革命の進展は、あらゆる「モノ」がもつ、物的側面と情報的側面を急激に分化させる力を持ち、かつその情報的側面を急激に革新させ、その両側面のギャップを作り出す。こうしたギャップ問題を解決するためには、物的側面の革新を急ぐ必要があるという問題意識のもと、情報都市社会という概念を提示する。その社会とは、まるで映画でみる近未来都市を想像させる。都市に高層ビルを乱立させ、空中都市を構想すること、そのビル同士を、地面を歩いてわたるのではなく、空中でつないで渡り歩くような世界であり、こうすることによって、発達した情報側面に物的側面が追いつける、という。
このように、著者の発想はかなり壮大な構図となって表れているが、どのような形であれ、本書で指摘された上記2点は、IT革命を考察する上で重要かつ本質的な、長期にわたって考察せねばならない問題であろう。