小学生には不適当です。
★☆☆☆☆
ストーリーは大変に面白いのですが、とにかく登場人物や場面設定が子供向きだとは思えません。
隣人が金持ちの愛人だったり、身内の大人が子供たちに窃盗をそそのかして、
しかもその窃盗が大変に楽しい出来事であったように描写したり、
父親の愛人だと名乗る女性が赤ん坊を連れてやってきたり。
また子供たちが酒を密造して先生にプレゼントし、その先生が喜ぶ。
こんな設定では、とてもではないけど子供には読ませられません。
犯罪を肯定するような本が小学生が読む本として出版されていることが非常に疑問です。
お子様に買い与えようと思うかたは、よくお考えになってください。
絶対に楽しめる本です!!
★★★★★
「この子だれの子」は、一冊の本に4作品が入っています。
夢中になって読める本なので、たくさんの人が楽しめると思います。
また、とってもほんわかと温かいイラストも私のお気に入りです!!
読後感が爽快でした。
★★★★★
短編集というのは、読みやすい反面、記憶に残らず、すぐに忘れてしまうことが往々にしてありました。
しかし、この短編集の物語は、どれも、印象に残る話ばかりでした。
そして、読後の爽快感が素晴らしく良かったです。
日常生活の中で起きる、ちょっとしたミステリーといった感じで書かれた物語は
連続殺人などのテーマと違い、肩がこらずに、読みやすいと思います。
ごくありふれた日常の中の謎を書いているという点で、宮部氏が、尊敬している作家、Aクリスティの『ミスマープル』を連想する方もいらっしゃるかもしれませんね。
さて、個人的に最も印象に残った話は、『サボテンの花』という物語です。さらりと読めた心温まるイイ話で、何年後かにまた読み返してみたいと思いました。
何も、殺人や、誘拐だけがミステリーの題材となるのではないんだということを痛感させられた一冊です。
そういう意味で、ミステリーをたくさん読んでいる人にも、この本をおすすめしたいですね。