心がまえができる
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5年前、長年の仲間の1人が大腸がんで亡くなりました。また、その仲間の死をともに悼んだ友人も、3年後に大腸がんになりました(幸い、いまはすっかり元気になりましたが)。そうこうするうち、今度は兄が大腸がんに。私の周囲は、大腸がんだらけです。
兄は手術後、さらに抗がん剤の治療を受け、現在は自宅で療養中です。もともと体力のある人だったのですが、治療後はずいぶん弱って、よくカゼをひくようになり、外出も控えている様子。なんとか元気になってもらいたく、義姉は毎日の食事づくりを工夫しています。でも、大腸がんにはとくに決まった食事療法はないようで、食が細くなった兄にどんなものを用意したらよいのか、悩んでいました。
そんなとき、本書を見つけました。大腸がんの本はいくつかありましたが、治療後の自宅での食事など、いちばん詳しく書かれていたのが本書でした。具体的なレシピもあって、義姉は参考にしているようです。
もちろん、大腸がんの手術法や抗がん剤などについても、詳しく、わかりやすく書かれています。再発・転移をしたときの治療法などにもふれてあったので、私自身、不安に思っていた兄の「これから」について、心がまえができました。
大腸がん以外の、潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群などについても書かれてありますので、腸の病気とその治療についてトータルに考えられる1冊です。