日本人は百選が好きですね。しかし、発表されたがそれっきりの百選もあるし、「あんなの｣と言われながらも、しぶとく生き残ってメジャーになっていく百選もあります。
　今回発表された地質百選は、日本百名山や名水百選より、科学的な調査の裏づけのあるものだし、研究者の層も厚くて後ろ盾が大きいし、百選からジオパークにして町おこしという餌も付いているから、多分生き残って、かなりメジャーになる百選でしょうね。
　その百選の紹介本です。他に、同種の本はないようです。今のところ、これっきり。その意味では、買わないとしょうがない。必須本です。
　ただし、最初の本であって、完全な本ではありません。
　そもそも、地質百選自体が完全でなく、現在は、百選でなくて８３選です。今後少なくても１７箇所が追加されるでしょう。
　また、本の内容は、本題の83箇所、個々の解説が、内容濃度が薄くて軽いですね。それぞれ２頁しかなく、写真を入れて一杯。
　当然というか、地図・地質図・露頭図・柱状図等々は全然ありません。リストに毛が生えた程度なので、地質の説明書、あるいは、現地解説書としては、期待しない方がよい。
　その他では、序文｢日本列島の地質概観｣は、短文にして要を得ているし、関連ホームページ、地質関連博物館の情報がついているのは、重宝するかも。
　もっと厚い、中身の濃い案内書が、そのうち、出るでしょうが、現在はこれしかないので、期待しないで、買っておけば、何かと役に立つと思います。