統計処理を選ぶために必要な本か?
★★★☆☆
統計処理に頭を悩ませる研究者は多いと思います。特に、文系の方には。(私もその1人ですが...)
この本は卒論、修論のための...とありますが、自分の論文に必要な統計処理というのは、先行論文などをたくさん目を通す方がいいんじゃないかと思う気がしました。
この本は、数人が対話形式で話しているのを文字化した感じで書かれていて、難しい内容を簡単にしてくれているのはわかるのですが、それがかえって冗長な感じになってしまっています。1ページに書かれている内容自体はそれほど多くないからです。
そして、この本を1冊読みきって、どういうときにどんな統計処理を行えばいいのかという基礎的な知識を幅広くつけるのはいいかもしれませんが、逆にいうと、自分の研究とはあまり関係ない統計処理のことも読むことになります。個人的な意見ですが、ハウツー本としては内容が少なく、内容の割に割高感を感じました。
統計処理に関する本とはいっても、具体的にどのような内容の参考書が必要なのか、よく考えた上で選ばれるほうがよいかと思います。もし、自分の書きたい論文のテーマや内容が決まっているのであれば、先行論文にもう一度目を通してみるのが先だと思います。
それでもわからなければ、次のステップですが、ただ、全く先が見えない手探り状態の大学生、大学院生の方で、幅広い統計処理の基礎知識を身につけたいと思っている方ならいいと思いますが、自分の研究のためにやみくもに「統計処理」と書かれた本を買っても、自分のほしい情報がピンポイントで得られるとは思えません。
私は、個人的に自分の欲しい情報とこの本で得られた情報の差がありすぎたので、ほとんど使えず割高な買い物になったしてまった感があります。
大学生、修士の人にはお薦めです。
★★★★☆
実験をやって統計処理のために買うよりも、あるテーマを見つけて統計処理ををフルに使って、卒論、修論を仕上げる人にはお薦めです。テーマの見つけ方も書いてあって、テーマを何にしようと迷っている人にはお薦めです。
初心者には是非、お勧め!
★★★★★
卒論を控えている学生の方やこれから統計学を学び、研究したいと思っておられる方にはお勧めの本です。私自身は後者の方で、統計については自信もって初心者ですが、この本はそんな私に統計解析のやる気を起こさせてくれました。内容は自分自身が卒論や修論を課せられている一人の学生になったつもりにさせてくれ、本当にゼミの感覚で学習できるようになっています。水準は浅いかもしれませんが範囲はかなり広く扱われています。それともう一つのお勧めは、参考文献とのネットワークが上手くされているところでしょうか(経済的なこともあり全ての人にとはいきませんが…)。もし余裕があれば是非ともこのネットワークを活用されると、自己の修得度がひしひしと感じられます。