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合葬 (ちくま文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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彰義隊を舞台にした青春もの ★★★★★
幕末を舞台にした漫画はたくさん有りますが、彰義隊を取り上げたものは珍しいので購入しました。

内容は、彰義隊に関わった三人の若い武士を主人公とした青春ものです
したがって、彰義隊の歴史や上野戦争の様子などを知りたくて購入しても満足しないかもしれません。

しかし、自分は杉浦先生の簡潔な絵と主人公たちの不器用な生き方が、とても気に入って何度も読み返してしまいました。
苦い内容の本ですが、歴史好き、青春ものが好きな方は読んで見て損はないと思います。
江戸がいとおしくなる本 ★★★★☆
杉浦日向子さんの他の江戸漫画もそうなのですが、
江戸時代が(あたりまえだが)現代と繋がっている/我々の先祖の住んでいた話である
ことを読み手に感じさせてくれます。
それぞれの理由と偶然によって、彰義隊として戦禍に巻き込まれた少年達の心理描写や行動が、
現代に生きる自分から見て非常に共感できました。
自らの思いに生きた極、流されるままに懸命に生きた征之助、そして運命に翻弄された悌二郎。
変に時代劇風にキャラクタライズされていない、江戸を生きた3人の少年の視点
から描かれるミクロ視点での彰義隊物語は、異常なまでの説得力で読み手に迫ってきます。

※巻末の「長崎より」はびっくりした。
これは「合葬」を書き終えた後、単行本化する際に書き足されたものとのこと。
合葬を読み進んだ勢いで、同じ時系列のつもりで読んでしまい相当混乱してしまいました(笑)。
巻末で、杉浦さんが明治維新を「月曜日の朝」に例える考え方を紹介しておられますが、
それにも私は非常に共感を覚えました。
そしてこの「長崎より」は、日本の「最後の日曜日」のお話を付け足してくれたのだと勝手に解釈しています。
非常にやさしい読後感になりました。

不思議に何度も読み返してしまう傑作です。
彰義隊には興味なかったんですが ★★★★★
二つ枕、風流江戸雀で楽しませてもらったのでそれらに続いて購入した作品です。
彰義隊について知っている事といったら官軍相手に戦って敗走した旧幕残党くらいに
しか思ってなかったんですが、戦って死んで行った隊員たちがまだ子供々々した旗本の
子弟だと言う事に目を開かれました。結びにぽつんと置かれた「長崎より」が本編で
死んで行った子供、青年達への哀悼の念を募らせます。

女史の欽定の歴史観とは違った視点を提供してくれる作品としては、討ち入り当日
吉良家を描いた「ゑひもせす」所収の「吉良供養」もお勧めしたいですね。

ところで作品とは関係ないんですが「ハ・ジ・マ・リ」に書かれている志ん生の火焔太鼓
の小話が聞ける録音ないかな、と思って探しているんですがなかなか見つかりません。
残念。
漫画をナメてました。申し訳ない。 ★★★★★
彰義隊の物語は会津藩の行末と共に、近代化へシフトしてゆく
日本の悲話として有名だが、彼等の微妙なポジションやその中で
揺れ動く若い士族達の心情が実に良く、しかも劇画チックな過剰
さを排して描きだされている。
凡百の歴史小説やドラマ・映画など足元にも及ばないほど、完成
度の高さにまづ驚かされる。
安治を巡る解釈は、杉浦日向子の芸術論そのものか ★★★★☆
彰義隊の少年兵士を描いた「合葬」、忠臣蔵を吉良家側から描いた「吉良供養」。そして江戸を独自の視点で描いた画家・井上安治のついての12編からなる「YASUJI東京」。

闘いが人対人だった時代。この手で振り下ろした刀で相手の肉体を切り裂き、太刀を突き刺し相手の命を奪う。その哀しみと人生が見事に描かれている。

心に残った画や文章をひとつに絞るのは難しいが、敢えてあげれば、「吉良供養」の次の一文になるだろう。「事後二百八十年、今尚この『大量殺戮』は賛美され赤穂主従の墓所泉岳寺も大そうな景気だが、片や吉良家の『忠臣』は、その埋骨の地点さえわからない。曰く『大義悉(ことごと)くを滅す』と」