あえて書かれていないけど、なんだ深いなあ、と思ったのが
研究者・開発者・パーツメーカー・コンピュータメーカー・官庁・ユーザーで
それなりに利害の相反があるんじゃないのか、ということ
産業振興の立場からメーカーに育って欲しいと思う官庁
そんな金食い虫のプロジェクトは。。。と思うメーカー
あるいは手堅い互換機商法で安定した経営をしたいメーカー
できればIBMのを使いたい、と思うユーザー
概念の点で新しいものを考える研究者
その辺で、なまじ開発能力がある国だからこそのジレンマなのかもしれんな

ニコンカメラ生みの親
更田正彦氏の話だけでも、十分に本書の価値はあります。
ご存知の方も多いとは思いますが、更田氏は
戦時中、アナログコンピュータの第一人者でした。
真空管などが、開発されていた当時、なぜ敢えてアナログコンピュータを
開発したのか、そのコンピュータはどのように操作されたのか、
もちろん、他にも日本を、世界を代表する計算機屋がズラリと並んでいます。
本当に面白いし、定価で購入できる今、
入手のチャンスだと思います。
更に、ドクター小倉の（アサヒカメラ-ニューフェース診断室）
カメラと戦争―光学技術者たちの挑戦 (朝日文庫)
国産カメラ開発物語―カメラ大国を築いた技術者たち (朝日選書)
などを読めば、もっと楽しめます。
マニアックなあなたにお勧めします。