貴重なDB2の日本語資料
★★★★☆
世界的には結構利用されているDB2だが、日本ではOracleが開発者コミュニティ育成で圧倒的に成功したこともあって極めてマイナーな存在だ。しかし、グローバル化してオフショアと連携したシステム開発が増えたり、情報システムそのもののグローバル化が進むと日本人技術者にとっては、DB2とご対面する機会は今後増えると思う。IBMのWebサイトでは結構日本語資料もあるが、書籍では存在感が全く薄い。Webではちょっと内容が難しくなると読むのがつらいし、家庭で印刷すると本を買うのに近い出費になる。そうなると本書のようなコンパクトにまとめられた本は大変助かる。宣伝文句ばかりで技術的なことは書いていないのかと思っていたが、DB2のソフトウェア・アーキテクチャについてOracleと対比する形で結構詳しく書かれており、技術者にとって導入編としては十分役に立つと思う。また、詳しいと言ってもマニュアルにあるほど煩雑でもなく、Oracleを使った開発経験があれば、十分理解出来る内容だ。本書のような内容のものを出来ればメジャー・バージョンアップする毎にシリーズもので出して欲しい。また、最新のDB2エキスパートなどの資格についても日本語の資料を手頃な価格で出して欲しいものだが・・・。ちなみに明らかに技術者向けの本なので、経営者にはちょっと難しいかもしれない。