「森(山)を楽しみ、味わう」本
★★★★★
野山を駆け抜ける、ピークを制す。そのような楽しみ方もある。が、自然に溶け込み、一体となる。こんな楽しみ方もまた良い。
谷川のせせらぎ掌を浸けて、その冷たさを味わう。樹木の下に積み重なった落ち葉に鼻を近づけて、その香りを確かめる。大木の幹に素手を当ててその感触を楽しむ。
そのような森の楽しみ方を思い出させてくれる本だ。
ゆっくりと、時間をかけて、森の素晴らしさを味わいたい人にお勧め。筆者は50をすぎてから、森歩きの楽しみに目覚めた。
東京近辺の、体力が無くてもスニーカーで気軽に歩けるスポットを幾つか紹介している。
洗練された無駄のない文章と美しく爽やかな写真は、ただ、ページを繰るだけでも私たちを、森へ還った気分にさせてくれる。