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エリー桜通信

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
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「純愛」「妄想」「LINE」小説。
僕とエリーが初めてデートしたのは、僕が地元横浜の県立高校3年生、彼女が同じ高校の1年生の3月だった。国立大学の試験が終わった次の日曜日、僕が大学生になれるかどうか分からないタイミングだ。可憐で美しい少女だったエリーに、もし自分が大学に入れたら交際して欲しいと願ったが、それはかなわなかった。それ以来何度か彼女との接点はあったものの、彼女は僕に関心を持つことはなかった。
ある日、僕のスマートフォンのLINEアプリに、エリーが突然現れる。たぶん返信もくれないだろうと思いながらも「お、元気?」と一言入れた。それが僕とエリーとの会話の始まりだった。LINEというオンライン上のコミュニケーションに関わらず、僕とエリーは強く繋がっていく。エリーが体調を崩してから、ようやく自分で起き上がろうとした時期だった。
高校生のときの出会いは、高校二年生だった僕が春休みに書いた、小説とも言えない作文を彼女が読みたいと言ったのがきっかけだった。そして今は僕が最近になって書いた「ミワコ」という私小説を、ネット上で読み始めてエリー「切ない」と言う。これまで感情を抑え込んでいたというエリーが、自分から立ち上がろうとするタイミングに、僕はエリーとリユニオンした。僕は関西、彼女は横浜で暮らす。だからリアルに会えるわけではない。
今までの共通の記憶や体験はそんなに多くない。それでも彼女も僕も、高校の廊下で初めて会って僕が分厚い作文のファイルを手渡した光景を、明確に映像として憶えている。まだ高校生の二人が横浜でデートしたことも、鮮明な思い出としてしまいこんでいた。いつか再会しようと互いに言い出した頃、僕は彼女が住む横浜に行くことになり、実際に再会を果たす。
オンライン上の妄想、リアルな互いの実像、それらが交錯しながら混じりあっていく。渾身の純愛小説。