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孫文〈上〉武装蜂起 (中公文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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あくまでも歴史小説。史実を知った上で読むと興味深い ★★★★☆
本書では残念ながら孫文が共和国大統領に就任するまでの半生までしか描かれていない。
この後孫文の政治理論には、日本での亡命生活や宋慶齢との生活などが大きく影響してゆくので、ぜひとも残りの半生を描いていただきたいものだ。

そうは言っても、一般の日本の出版物からはわからない、孫文をとりまく中国人達との関係や伝統的な思想、特に会党などの話題は、中国の裏社会のことにまで詳しくないと描けるものではないので、孫文がいかに理想だけではなく、信用を得て支持者を増やしていったかがわかって興味深い。

ただせっかく日本で出版された小説だったので、もっと日本人協力者や政治化との関係を、くわしく描写してもよかったのではないだろうか。また小説なので、若干事実と異なる描写や、最近になってわかった事実もあるので、読者はその辺を充分理解して読む必要もある。

例えばロンドンで誘拐されたのも、ハワイで梅屋庄吉からの資金を受け取った背景があり、そこまで足を伸ばす結果になったことや、清朝公館へ変名を使って自ら入ったところを拘束されたとか(事実かどうかは断定されていない)、香港の佐渡丸上で上陸して蜂起すべきと主張する宮崎滔天と激しい対立をしたことなどは、面白いエピソードであったと思う。

いずれにしても、初めて予備知識なしには快適に読み進める小説ではないので、あらかじめ歴史書などで知識をつけてから読むと面白さは倍増するであろう。
辛亥革命に至るまでの歴史書 ★★★★★
この本は、孫文が30歳の1985年から辛亥革命のあった1911年までの、孫文の活動をなるべくフィクションを交えず、できるだけ史実に忠実に書いてある著である。

著者があとがきでこう述べている。
“近代史を小説の形式でえがくことが、私の仕事の本筋になっている”、“当初の意図にくらべて、小説的場面が少なくなることをおそれる一方、無理をしてフィクション化することも慎んだ”

そのため、司馬遼太郎などが描く“小説”とは違った趣、ずばり言えば、読者に喜怒哀楽が起こることが少なくはなっている。(司馬遼太郎の本はフィクションである。)

だが、その分いろいろな文献を基にした事実には著者の誠実さが感じられる。

孫文は歴史上評価が難しいと言われているそうである。私もこの本を読むまで彼が何をしたか知らなかった。とりあえず、何をしたかはこの本を読めば分かる。(但し、上述したように1985年から1911年までの話しだけだが)
この本はとりあえず孫文の入門書とし、孫文を知るにはもっともっと他の記述も読む必要があろう。(これは他の人物に関しても同じことではあるが)
だが、著者の感情を意識的に除いてある分、読者として変な印象を持たずに済み、とっかかりとしては良い本だと思う。
孫文が表舞台に出るまでのStoryです ★★★★☆
孫文のことを勉強をしようしようと思っていたら、文庫本が出たので早速買いました。

世界の歴史、中国の歴史のうねりの中で孫文という人物が表舞台に駆け上がっていく様が非常によく描かれています。

・飛行機がない時代によくこれだけ世界的な活動をしたなあ
・一族含めかなりのリスクをとって行動をしてるなぁ
・医者というバックグラウンドから思い切ったことをしたなあ

半端ないチャレンジャーだなあと思いました。
社会的な使命感に溢れる命がけのベンチャースピリットを感じました。