1985年に出た単行本『風に訊け２』の改題・文庫化。
　雑誌『プレイボーイ』で開高健が担当した人生相談コーナー「ライフスタイル・アドバイス−風に訊け」（1982-85年）の内容をまとめたものである。
　開高の前には今東光や柴田錬三郎が担当していたコーナーというから、すごいコーナーである。
　まあ、まじめな人生相談というのではなく、寄せられた質問に、開高健が機知と経験を生かし、「読み物」として回答していく点に面白さがある。
　雑誌の性質からか、若者の質問者が多く、また性にまつわる内容が目につく。けっこうあけすけなものまで。
　さして期待せずに読み始めたのだが、意外に面白かった。世界を旅した経験や知識が圧倒的だし、人生というものへの洞察がある。また、若者の悩みにからりと応えている点にユーモアと軽やかさを感じた。

　私は女性ですから、こう感じたのですが・・・
　個人的には女性の方に、男性とお付き合いをしていく中で「なんで男性ってああなのかな？」って思う
時、「風に訊け」の２冊を紐解くとその疑問に対するヒントが見つかるかもと思うのです。
　ひと昔、ふた昔前に連載されていたものではあるのですが、その質問は今でも多くの男性女性の胸の
内にあるものだと思いますし、また開高先生のお答えも、色あせることなく今でも輝きを放っていると
思います。
　でも本当、一度に読むと、すんごくお腹一杯になります。中表紙にあります「開高先生直筆の原稿を
そのまま印刷したもの」にありますように、ベッドに入る前などにちょびちょびっと読むのがいいかも
しれませんね。・・・・でも私はうれしくって一度に読んでしまったけど(笑)

会う人ごとにこの本を薦めています。　先入観やら偏見やらは一切いらず。
ただ「一度読んでみて」この一言に尽きる。
今まで「カレーとラーメン」「布団とベッド」にこれだけの知識、薀蓄、狂気を持った人がいただろうか？　
一方真剣な悩み相談に対してはしれっと答えるところ、同じ男として単純に格好よすぎる…

ただ前著「風に訊け」に比べて読者がただ開口さんの知識に挑戦しているところがあり、そこでお腹いっぱいにになってしまったので☆４つです。

～世に人生相談はたくさんあるものの、これだけ言葉を巧く、ウィットとユーモアに富んだ答えを出せる人がいただろうか？巨匠の人生相談、つきつめてみれば、そんなに考えすぎるな、悠々として急げ、ということなんだろうか。惜しいのは、こういう人物が今の日本に見あたらなくなってしまったことかもしれない。言ってることが、今わからなくても、いつかわかる～～時が来る、そんな一冊だと思う。～

～ライフスタイルアドバイス(１)の文庫版「赤本」に遅れること、なんと17年目にしてようやくライフスタイルアドバイス(２)の文庫版が出た！お、遅い！集英社！ちゃんともっと早く仕事をしてくれ！読者の難問、奇問、珍問、愚問の直球、変化球、ビーンボールにフルスイングで答える巨匠・開高。これ、ほんなこつ座右の書です。バイブルです。だってワタシ、絶版の～～ライフスタイルアドバイス(２)の「クリーム本」も、買い占めて３冊も持ってるもの…。～