病院惑星
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その「物体」が目覚めると、そこは金属の箱の中であった。
右腕以外の感覚が喪失し
三半規管も失っているために、上も下も分からない
何時間もかけてあちこち動き回る・・・
自分の周りに金属の壁が取り囲んでいることを発見するが、そこから先に進むことがどうしても出来ない。
物音一つせず、静寂の中長い時間が経過する
だが、自分が何者であったのか、何故ここに居るのかどうしても思い出せない・・・・
・・・その「物体」は知る由も無かった。
そこは設計図を無くし、修理不能となったロボットを収容する施設であること、彼を修理する方法は何年も模索されているが今だに手掛かりすら掴めていないこと
そして・・・・万が一の僥倖で修復された時、その「物体」にいかなる運命が用意されているのかということも。
初出コミティア101