大鳥圭介の実像に迫る秀作
★★★★☆
著者は医業で大成したかたわら、
ご先祖の功績を追究したとのこと。
7年の歳月をかけて調査を丹念に行い、
その成果をまとめている。
従来の大鳥圭介像を一新する内容だ。
また、明治政府の成り立ちを知る上で
参考になる一冊といえる。
興味深いエピソードが満載
★★★★★
江戸時代から明治時代まで幅広く網羅していて、実に読み応えがあります。
「南柯紀行」など大鳥本人による文章はもちろん、周囲の人の証言(批判も含め)も多く引用されており、視点が偏っていない点も好印象でした。
大鳥にまつわる興味深いエピソードもたくさん紹介されています。
たとえば華族女学校の校長退任後のエピソードとして、同校で教師をしていた津田梅子は「留学を希望しているのになかなか許可がおりない。大鳥先生が校長のときだったらきっと相談にのってもらえたはずだから、彼が退任したのは非常に残念だ。彼が校長として就任したとき、彼の英語がパーフェクトなことに非常に驚いたものだった」と知人に手紙を書いたりしています。
また、国府津の大鳥の別荘を徳川慶喜が非常に気に入り晩年には毎年訪れ、付近の農家では「十五代さまがいらっしゃった!」と大変な人気だった、など意外で微笑ましいエピソードも紹介されています。
『大鳥圭介伝』『南柯紀行』とともに、大鳥に興味のある方にはとてもオススメの本です。
平成版『大鳥圭介伝』
★★★★★
大正時代に刊行された『大鳥圭介伝』の平成版と言った所。
明治時代以降の業績や意外な人物との関係が詳細に記述されている。
大鳥に対して益々、興味を引かれる内容な本である。