表情豊かな“パトリック”スクルージ
★★★★★
“パトリック・スチュワート”の名前をご存じなくても、『スター・トレック』のピカード艦長、『X-メン』の車椅子の教授、といえば、
「ああ、あのハゲのおじさん」
と、ピンとくる方、多いんじゃないでしょうか?
この、『クリスマスキャロル』のスクルージ役は、彼の十八番のひとつで、毎年クリスマスには、ブロードウェイなどで、一人芝居の『クリスマスキャロル』(40人近くの登場人物を1人で演じる)を演っています。いくつもの賞をとった、大変評価の高い演目です。
「クリスマス」というと、私たち日本人にとっては、ただ単にパーティやったり、プレゼントの交換をしたりする日ですが、キリスト教圏の方たちには、もっと特別な意味がある、ということがこれを見ているとよくわかります。われわれ日本人で言うと、年末年始のさまざまな行事に、さらに宗教的な厳かな意味を持たせたようなもの・・・とでもいったらいいでしょうか?
そう、たとえば、甥がクリスマスのディナーに誘いに来るのを、スクルージが素気無く断るせりふがあります。
「貧乏人の癖にクリスマスなどとめでたがりおって。そんな奴らはプディングと煮込んで、ヒイラギに刺してやりたい。」
↓ 日本風にいえば・・↓
「貧乏人の癖に、正月などとめでたがりおって。そんな奴らは、雑煮の餅と煮込んで、門松に刺してやりたい」
こんなところでしょうか?一銭の金を生まない行事には、舌だって出したくない、というスクルージの考え方がよくでてる台詞です。
P・スチュワートは、ここのところ、ピカード艦長や、プロフェッサーXなど、演じる役が“いいひと”づいてますが、じつは、因業親父や、ずるがしこい悪役などをやらせると、とってもいい味を出してくれる役者さんなのです。(『ガンメン』や、『陰謀のセオリー』など。また、舞台で一人芝居『シャイロック』も演じています。)
そのせいでしょう、スクルージの因業親父ぶりが、とってもはまっています。
そして、精霊たちと出会って、心を入れ替えたあとの表情が、本当に、同一人物なのだろうか?と思えるようなすばらしいものになっています。
表情の一つ一つが、まさに、スクルージとして活きています。
彼はもともと舞台の出身で(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属しています)、演技、そして発声の基礎がしっかりしている人なので、彼の素敵な肉声を味わうためにもぜひ、字幕で見ていただきたいと思います。
Patrick Stewart万歳!
★★★★☆
STARTREK TNGのホロデッキでアンドロイドのデータ少佐が人間性追究のためスルージを演じたが、上官のピカード艦長が本役を演じたのは(どうやらそれがきっかけのひとつらしいが)ファンには嬉しい限りである(余談だがTNGのエピソード ”inner lights”での笛のメロディのモティーフが使われているのは心憎い演出だ)。無論TNGを知らずとも、王立シェークスピア協会の名優PatrickStewartが「心豊かに」生きる人間の幸福を見事なまでに演じ、観るものに深い感動を与えてくれる。ところでPatrick Stewartの吹替には断然、麦人氏を起用すべきではないか。キャラクター性や品格の一致というのは大事なことだ。また、商品内にキャストや吹替陣の情報が無いのが不満である。また、国内盤DVDが出ていたとは最近まで知らなかった。宣伝不足では?
パトリック様のファンならぜひに!
★★★★★
パトリックさんの一人芝居のクリスマス・キャロルをご存知ですか?なんと一人で50役以上もこなす、賞も受賞した彼の有名なお芝居です。こちらの映画のほうは一人芝居ではありませんが、彼のファンならぜひ見ましょう。まさか日本にDVDで入ってきてくれるとは思いませんでした。感激です。パッケージは少年じゃなく、パトリック様でいいと思うんだけどなあ…。
家族で楽しめるファミリーテイストなリメイク
★★★☆☆
昔、小学校の道徳の時間で原作を読みました。過去に何度か映画化もされていますが、どうも堅苦しいイメージ!?があったのですが、今回の映像化はなんといってもスクルージをあのスタートレックやX-MENでお馴染みのパトリック・スチューアート(様)が演じているということで、もうそれだけで(笑)観てしまいました。また原作を下地にSFXの効果を加えてより現代的にエンターテイメント的にリメイクされてると思います。スクルージの人間性の変化をコミカルかつ感動的にラストまでもっていく演出はそれなりにわかりやすく小さなお子様もきっと楽しめるのでは。
DVDジャケットのメインの少年は単に脇役なんですがスクルージの心を動かす重要なキャラであると観たあとになるほどと思いました。あくまで大人のための物語なのですがファミリーチックな演出が逆に好感が持てました。
ちょっとノーブルなスクルージ♪
★★★☆☆
過去に見たアルバート・フィニーのスクルージや、今回のパトリック・スチュワートがオーディオブックで朗読しているスクルージは、滑稽さが強調されていて、クリスマスキャロルのスクルージというとそういうイメージがあったんですが、今回のはケチな愚か者というより、自主性があって頭もいいスクルージでした。彼なりの価値観に堂々と従っている感じ。生前のマーレイとの付き合いもそれなりに誠実なものだったように見えますし、クリスマスの精に対しても、引っ張り回されるのでなく自分の意志でついて行くのが新鮮。ラストも、今までは「愛情は金で買える」というふうにも受け取れて釈然としなかったのですが、今回は「現在の行動を選択することによって将来は変わる」という点に力点が移っていて共感しやすかったです。お金は使い方が問題なのね。
パトリック・スチュワートのスクルージ、ケチにしては服装が立派で姿勢もいいし、最初は正直言って二枚目すぎるかな、と思ったんですが、よかったです。特撮も見事。しかし、露骨にハリポタファン層をねらったような、脇役の少年(しかもピンぼけ)を主役のようにレイアウトしたパッケージはかなり減点(苦笑)…逆効果では?とても大人っぽい『クリスマス・キャロル』でした。