「女性映画」の巨匠とも謳われる溝口健二監督の代表作。邦題『西鶴一代女』。 　田中絹代が初めて汚れ役を演じ、一世一代の名演を披露。男に弄ばされ、数奇に満ちた人生を歩んだ女性「お春」の生涯が描かれている。 　ヴェネツィア国際映画祭で国際賞を受賞。 ヌーヴェルヴァーグの映画作家にも大きな影響を与えるなど（溝口が得意とする長回しを流行させた）、海外では特に高く評価された。 　山根寿子、三船敏郎、菅井一郎、松浦築枝、進藤英太郎、沢村貞子といった豪華な俳優たちも見ものである。 　画質や音質に定評のあるアメリカ・クライテリオン版で鮮やかによみがえった。