ワイルド・スピード × 2 [DVD]
価格: ¥3,990
オープニング、違法の路上カーレースから、いきなりアドレナリンを上昇させる。アクセルを踏み、スピードアップするシークエンスは、絶妙な編集と音響によって臨場感ばっちりに映像化され、はっきり言って前作以上の仕上がりだ。監督ジョン・シングルトンの、ミュージック・クリップ的なノリが、ここではいい方向に作用している。
前作で、ロスのストリートレースの世界で潜入捜査に成功するも、その中心人物を逃がした主人公・ブライアン。警官を辞め、フロリダの裏レース界で名を馳せる彼が、ふたたび潜入捜査を依頼される。物語にとくに新しさはないが、この続編は、車やキャラの個性と、テンポのよい展開が持ち味になっている。ドライバーの好みに合わせたペイントやチューンナップがユニークで、なかでも人気の日系モデル、デヴォン青木が演じるスキの、ド派手ピンクの「ホンダS2000」が目を引く。このあたりは女性観客を意識しているのだろう。俳優たちも、それぞれが与えられた役どころに順応し、無理のない演技で、いい味だ。
巨大ガレージから100台以上の車が一気に飛び出すカーチェイスや、川岸から船へ大ジャンプする車などのシーンには、ストレートに、そして大いに興奮させられる。VFX技術をひけらかすアクションではなく、物語のためのアクションを満喫できる、極めてまっとうな作品なのだ。(斉藤博昭)