20世紀初頭の帝政ロシア。ニコライ皇帝（マイケル・ジェイストン）とアレクサンドラ皇后（ジャネット・サズマン）の間に皇太子アレクセイが生まれた。血友病に冒されていたアレクセイを救ったのは、怪僧ラスプーチンであった。以後、アレクサンドラはラスプーチンを優遇するが…。
   ロシア最後の王朝となったロマノフ家の最期を、『猿の惑星』『パットン大戦車軍団』などの巨匠フランクリン・J・シャフナー監督が骨太に描いた歴史絵巻大作。スペクタクル描写よりも人間描写そのものに力を入れた作りとなっており、その重苦しさがやがて来る悲劇性を濃厚なものにもさせているが、観ていて共感できる人物が皆無なのがきついといえばきつい。アカデミー賞美術監督賞および衣裳デザイン賞を受賞。（増當竜也）