待ちに待った方も多いのではないだろうか?
私もそうである。
しかし、最初に言わなければならない事が有る。
それは、前半部の何編かにいわゆる都市伝説の焼き直し
があったのだ。その時点で私はすこしがっかりした。
星に例えるならマイナス2で星3個。
しかし。だ。
中盤から後半にかけての怒濤のラッシュは私達を嫌悪感溢れる
恐怖に導いてくれる。読みたくはない。だが、読みたい。
相反する感情に翻弄されながら、読み終えてしまった。
そうなのだ、これが平山夢明という人の書いた文章の魔力である。
そう考えると、前半部の失点である都市伝説の焼き直しも、平山氏の
文章で読めると考えれば、面白いボーナストラックなのではないだろうか?平山氏の筆にかかるとこんな表現になる、と。東京伝説なのだから
ありなのだ、とも思えないだろうか?
今回は携帯、写メール、動画メール、ドラッグ、DVなど社会を
反映した内容が私達を恐怖に煽る。
いつ、私達が、こちら側からあちら側に行くか解らない。そんな
話がぎっしりとつまって手を拱いている。
もし、一人暮らしをしているのなら、身の回りの確認をしてから
読む事をおすすめしたい。理由は簡単である。
気が付くとそこに…。
というのが無いとは限らないのだから。