『サイボーグ009』の中でこれまで秋田文庫のシリーズに収録されていなかった、『たのしい幼稚園』『中一時代』に掲載された短編と、009ではないが、009に関係の深い作品を集めた一冊です。『中一時代』掲載分は『サイボーグ009対三億円事件』というもので、001が超能力によって三億円事件の犯人を探り当て、009が彼に会いに行って説教するというユニークな作品。掲載時期は時効まで5年もある1970年ですが、早くも“迷宮入り”を予言しているのを面白く感じました。
009以外の作品群は、009と同時期に発表されたものの中から、サイボーグが登場するものや、チームプレイで活躍する点が009と共通する作品が選ばれていますが、『サイボーグ009別巻』と名乗るほどその関連性は深いとは言えません。しかし、当時の石森章太郎がサイボーグやチームプレイをテーマにした作品を多数描いていて、その頂点に位置するのが009だということは十分に伝わります。