アニメオタクならぜひ読んでおきたい一冊
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『幻のガイドブックが復刻』という触れ込みですが、実際には2001年に「千と千尋の神隠し」が公開された際にも、ローソン限定で一度復刻版が発売されています。私はそのときに入手しました。
で、内容に関してですが、やはり一番価値があると感じるのは、宮崎駿自身が過去に関ってきた作品を詳細に振り返っている部分です。一般的には非常に評価の高い「母を訪ねて三千里」について、「つらいだけの仕事になってしまった」などと、かなり率直な言葉で感想を述べています。また、「フランダースの犬なんてゴミみたいな作品だと思う」なんてことも・・・・。とは言え84年の時点で既に記憶が曖昧な点も多いらしく、「何を描いたか覚えていない!」と述べている場合もあります。
他では、講演記録もとても興味深く、特に観客とのQ&Aコーナーの内容が面白いです。「ガンダムについてどう思いますか?」という問いに、宮崎駿が答えていたりします。
非常に読み応えのある一冊で、ライトなナウシカファンには何がなにやらという内容かもしれませんが、アニメオタクであるならば、これを読まずに(宮崎駿を知らずに)どうする?!というくらい、充実した内容です。ぜひ、読んでみましょう。