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今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機

価格: ¥1,500
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: ベストセラーズ
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人類は岐路に立っている ★★★★★
 本書はスベンスマークが提案した「地球に降り注ぐ宇宙線の増減が雲の発生率を支配し、地球の温暖化・寒冷化に支配的な効果を持つ」という理論に立脚している。IPCCは「水蒸気(雲)は地球表面に届くは太陽光を反射してしまう冷却効果と、地球が発する赤外線を地球に反射してしまう温暖化ガスとしての効果の両面があり、水蒸気の放射強制力(温暖化・冷却化に寄与する力)は現段階では考慮しない」という立場をとっている。地球温暖化に二酸化炭素の約10倍の効果を持つ雲の効果は自然現象であり、人類が関与しない効果であるとしている。地球の気候は人類が誕生する前から大きく変動していて、そのことはグリーンランドや南極の氷床コアの観測からも証明されていて、地質学では常識となっている。
 太陽黒点が科学的に観測されるようになって11年周期とともに、近年活動が弱まっていて太陽風の吹き出しが低下することにより、地上に降り注ぐ宇宙線量が増加していることが観測されている。そのためスベンスマーク効果により雲の発生が増え、地球が寒冷化に向かっていると本書では訴えている。あくまでも自然現象として地球の寒冷化を考えているのである。これに対してIPCCは人為的効果(産業革命以後に人類が化石燃料を地層から取り出し燃焼させ大気中の二酸化炭素を増加させたこと)による気候変動を考えているのである。前者の視点は地球誕生以来の地質学的時間の中で近未来の気候変動を語っているのであり、後者はせいぜい200年間の人類の行為による気候変動を観測データに基づいて語っているのである。したがって、現時点でメジャーとなっているIPCCの警告する地球温暖化も、著者の警告する地球寒冷化も矛盾するものではない。まったく正反対に見える両者であるが時間的視点の違いおよび自然現象を重視するか人為的効果を重視するかの違いに他ならない。
 では実際に地球は温暖化していくのか寒冷化していくのか。結論は「なってみないと分からない」というのが現時点の人類の科学力の限界のように思う。しかし、本書の終盤で語っているローマクラブの「成長の限界」は確実に迫っている現実であり、最近中国が強権的な態度で振る舞っていることも13億人の人口を抱える国の責任者ならば納得できる姿である。かたや日本ではエコポイントだのエコ減税だの、特定企業の利益誘導としか考えられないような政策に国民が振り回されているわけだが、そろそろ本腰を入れて省資源、省エネルギー、食料自給などに取り組まないと国民を飢死にさせることになる。地球温暖化対策に推進派の方も慎重派の方も是非読んでいただきたい本である。
 PS 本書の中でちょっと気になるのはオゾンホールの扱いである。フロン全廃により近年オゾンホールの拡大はストップされたが、最大級のオゾンホールの発生は継続しており、マスコミが騒がなくなっただけだ。科学者の危機感が政治を動かし、人類が引き起こした大異変を未然に防いだという点ではもっと評価されてよいと思う。ダイオキシン問題と同系列では認識が誤りだと思う。
冷静と情熱のあいだ ★★★☆☆
YouTubeで筆者の出演した番組と関連する動画を観て購入しました。
そんなわけで自分としては、動画の内容を確認するのが目的でしたが
冒頭からICPP( 気候変動に関する政府間パネル)に対する強烈な批判
から始まり正直引いてしまった感があります。
初めて読む方あるいは肯定派でも懐疑派でもないニュートラルなスタ
ンスの方にとっては、いささか戸惑うものがあるかと思います。

それでもここ数年の冷夏や今年(2010年)5月までの日本の気候をみて
も氏の予想は当たっているように思えますし、宇宙線が地殻にまで影
響を及ぼし火山噴火や地震のトリガーとなる、という論においてもハ
イチ、チリの大きな地震、アイスランドの火山噴火などもそれを実証
しているような不吉な予感がします。

世の中CO2削減一色に懐疑的な方は、この書でなくても氏の著作のどれ
か一冊でも読んでみることを強くお奨めします。
ニュートラルな方は見識を広めのに役立つでしょう。
肯定派の方はこのような書が世に広まらないように買い占めるべきかも
しれません。
熱い口調はシニカルな世相で受けが悪いかも知れぬが問題点の把握、指摘は正確 ★★★★★
平均気温など最新の数値が加わっているが主張自体は従来のとおりです。憤懣やるかたない熱い語り口がかえってその冷静な分析、研究成果を削いでしまう可能性がありますが、その主張はより整理されたものになっています。地球温暖化(あるいは寒冷化。定義とタイムスパンをどう取るかの問題と思います)と石化エネルギー浪費(特に日本にとって)の問題はわけるべき、温暖化で困るのは中緯度の国、温暖化と二酸化炭素濃度の上昇は植生、農作物生産を増加させるはず、地球気候は常に変動してきた、環境問題はそもそも人口増加、それを支えるインフラ(エネルギー、食料、水、都市化、人口集中等)に根本原因があり、人口爆発こそコントロールすべき問題である等々、正に正鵠を射たものです。ローマクラブが30年以上前に警鐘を鳴らした「成長の限界」(本文で概略説明あり。2030年頃に人口は倍に増加、そして「何らかの理由で」次の10年で半分に急減という予測)を実証しつつある今世紀に、そのきっかけが太陽活動の低下による寒冷化ではないかと危惧しています。これはレビューアーの存命中に顕在化する可能性大で、その展開は震撼すべきものがあります。温暖化危惧論が政治経済の思惑に翻弄される事実が徐々に判明してきた今、寒冷化の視点の重要性が増しています。寒冷化が温暖化ビジネスの轍を踏まぬよう祈りたい。
面白いけど、武骨過ぎ ★★★★☆
 温暖化論をめぐる著者の単行本(新書を含む)の4冊目。外側からのIPCC、及び人為的温暖化仮説に対する「批判」ではなく、地球惑星科学の立場からの、ほぼ全面的な「否定」に近く、前3著と同様、切れ味鋭い叙述となっている。太陽活動の中期的な減衰と雲形成の活発化、地磁気のやはり中期的な衰え、そしてミランコビッチサイクルの「接近」などを踏まえれば、電子計算機にCO2の大気構成比率など判明分のデータだけを取り込んだIPCCの予測がいかに不確かなものか分かろうというもの。IPCCの報告やアル・ゴアの「予言」を教条的に信じている方々は、一昨年、昨年と続いたIPCC有力メンバーによる「今後10年または20年、地球は寒冷化に向かう」という見通し発表をどう受け止めるのだろうか。昨年のCOP15直前に暴露されたIPCC報告書内の「データの捏造」問題だの、「ヒマラヤの氷河は2035年に溶解する」という報告の「削除」発表だの、もあったし。

 ともあれ、著者は、CO2温暖化主因説に対する学界内の合意などどこにもない地球惑星科学の立場から(政府または国連寄りの御用気象学者は合意しているらしいが)、地球の歴史を振り返り、壮大な宇宙からの飛来物(宇宙線)についての実証的な研究を押さえて21世紀前半の「地球寒冷化」を唱えていく。難点は、前3著にもみられたが、記述が武骨過ぎること。前3著に比べると、感情的な表現、「世界連邦の樹立を」といった誇大な主張は影を潜めつつあるものの、それでも力みが入り過ぎている。1頁に何回も出てくる「〜のだ」「〜のである」の断定文体は、読み手の感覚からすれば、逆効果。同様に、この書名は、温暖化論をまともに考えてみたいと思っている読者の気を萎えさせ、敬遠させるだけだと思う。内容(とくに第6章まで)は至って論理的、科学的なだけに、この「武骨」は惜しい。
寒冷化説の大書 ★★★★★
地球温暖化説への懐疑は著名な研究者ほど辛辣だが、この本はその究極だろう。単にIPCCを立場ややり方を批判するだけでなく、しっかりと自説を展開している。しかも科学論ばかりでなく、研究者の内面もしっかり吐露している。著者は理学の研究者だが、理学ばかりでなくその哲学まで言及している。
21世紀の地球を考えるとき、新しい視点が必要なのだということを実感する。