具体的な良書です。
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株式投資での銘柄を選別する時に、押さえるべきポイント、これがすごく詳しく書かれています。たとえば、取り扱っている商品が、「どこで」「何を」売っているか、その商品が商品ライフサイクルのどこに位置するか、商品の成長か衰退かで今後の会社の成長を見たりしています。株の銘柄探しの本ですが、自分が起業する分野は参入しやすいか、利益は安定しているか、取扱う商品のライフサイクル、次に続く商品を作っているかなど、起業する方が読まれても参考になると思いました。
財務諸表から相場の心理まで
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本書は国内株式への投資を通じて資産形成を行わん
とする個人投資家に向けて書かれた一冊である。
著者はまず、多くの個人投資家が企業の「純利益」
だけを見て投資判断を行っているとその愚を戒める。
そして、読者が財務諸表に一通り目を通して企業の
「利益の質」を見極めることができるように、多くの
頁を割いて注意を払うべき点を論じている。
ポイントを衝いた著述が続き、著者の記す財務諸表
分析のいくつかを銘柄チェックのルーティンワーク
に取り入れるだけでも、割安株投資における失敗を
相当部分減らすことが可能になるのではないだろうか。
一方、著者は割安株投資を目指す者の多くが企業の
ファンダメンタルス分析にばかり注力し、経済や相場の
「潮目の変化」に無頓着であることにも警鐘を鳴らす。
ケインズの言葉を持ち出すまでもなく、株式投資が投資
家同士のゼロサムの要素を内包したゲームである以上、
投資対象である企業と競争相手である他の投資家につい
て、同等以上の注意を払って研究を行うべきなのだろう。
決算書の読み方から株式投資への「ブリッジ」を目指した
類書は他にもいろいろあるが、本書は評者の知る範囲で最も
充実した内容と著述の分かりやすさを持っている。国内個別
株のアクティブ投資を行う個人にはぜひ一読をお勧めします。
質の高い良書
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何年か前に同じ著者の「福袋銘柄で儲ける週末投資術」を買いました。
私は「賢明なる投資家」の大ファンだったので、角山さんの本は読みやすかったです。
決算書の具体的な細かい読み方が書いてあるのでとても参考になります。
意外だったのは、角山氏は完全なボトムアップと思いきや、VIXを見ていたりマクロの動向にもよく目を配っているようです。
とにかく決算書や定量分析の具体的計算式が豊富で、かなりいいです。
具体例が多い分分厚い本になっているのですが、意外とすんなり読めます。
いずれはグレアム+ドットの「証券分析」を読んでみたいです。
実は何年も前から本棚の肥やしになっているので。