横溝正史の同名ミステリ小説を松竹映画の巨匠・野村芳太郎監督が映画化し、大ヒットを記録した超大作。東京に住む辰弥(萩原健一)は、自分を探していた祖父が目の前で毒殺死したことを機に、故郷の八つ墓村を訪れた。そこは戦国時代の落武者惨殺の伝説に彩られた地であり、やがてそこで謎の連続殺人事件が勃発する…。
名探偵・金田一耕助には渥美清が扮しているが、ここでの彼は語り部に徹している。日本中の鍾乳洞をロケしてつなぎあわせた村の地下洞シーンや落武者惨殺、村人32人殺し、寺田家炎上などおどろおどろしい映像的見どころも多いが、それよりも大きな特色は謎解きミステリを超えて、怨念の実在を説く映画独自のストーリー展開。
また、原作の舞台は戦後だったのを、映画では現代(1977年)に設定したことで、祟りという概念が今なお根強く人心に根付いていることを、より強く印象づけることにもなった。(的田也寸志)
見直しても完成度の高い作品ですね
★★★★★
設定の地元岡山の出身です。公開された昭和52年、20歳でした。必殺仕置人で山崎努の演技が大好きでしたが、この八つ墓村で桜吹雪の中をゆっくりとすさまじい形相で走ってくる姿に鳥肌が立ってぞくぞくしたのを覚えています。33年ぶりに見直しましたが、やはりこのシーンは恐ろしいまでの映像の美しさに鳥肌が立ちました。地元の人間だけに、ロケ地があちこちしているのが分かるのは仕方ないですが、ものすごい田舎として描かれているのが、少し淋しいですね(今はもっと過疎化が進んでいます)。方言はNHKの連続ドラマでも分かるとおり、地元の人間が聞いたら「あれは方言じゃあない」ことが多いのですが、市原悦子扮するばあちゃんの方言はかなり完成度が高いです。でも他県の人にはそのままではわからんじゃろな。渥美清扮する金田一は他のシリーズと違った味付けですが、この映画に関しては傍観者のような・語り部みたいな設定が逆に合っているような気がします。公開当時は小川真由美のヒロインに「何でもう少し若い女優を起用しなかったのか?」と思いましたが(失礼)今の歳になって見直してみると、適役であったのが分かりました。現在と過去が同じ地点で何気なく入れ替わったり、当時としては斬新な手法であったと思います。峠から落ち武者たちが400年の時を超えて、無念を晴らした表情で屋敷が炎上するシーンも、ゾクゾクするシーンです。ショーケンの演技は「戻り川」でも熱演が光っていましたが、これはDVD化されてないですねえ。
落ち武者の呪い
★★★★★
400年前に村人に殺された落ち武者の祟りに似せた連続殺人が起こるミステリー。
残酷なシーンもあり全体的に怖い雰囲気が漂っている。
二時間半の大作だが映像や音楽が良くかなり楽しめました。
ミステリー映画が好きなら観て損は無いと思います。
山崎努の圧倒的な怪演
★★★★★
原作とは人物設定も、ラストもかなり脚色されて違っているが、映画としては充分楽しめる。
なんといっても、公開当時CMでもバンバン流された、山崎努の鬼気迫る怪演。懐中電灯を縛り付け、村中の人間を殺していく、迫真の演技。どれだけ、この姿がパロディー化されたことだろう。
人気絶頂のショーケン・萩原健一を主人公に据え、脇役陣も豪華。当時、石坂演じる金田一耕介が人気があった時代に、をミスキャスト?と思わせた渥美清を据えた度胸をたたえる。製作映画会社が違う、渥美清版は、まったく違うイメージの金田一で作られた。
ヒロインの美也子役には、妖艶な魅力をたたえる小川真由美。洞窟でのラブシーンは脳裏に残る。原作の中の、真のヒロインは、映画には登場していない。
大ヒットし、「たたりじゃー」という言葉も流行語に。山崎努の迫真の演技と双子の老女の不気味さもあいまって、この作品が数ある「八つ墓村」の中で一番人気が高い。古いテレビシリーズの古谷一行物も、機会があったら観てみると、ラストや設定の違いがあって、面白いかもしれない。
渥美清の金田一
★★★★★
正直なところ、渥美清の演技は「男はつらいよ」しか観たことがなかったので、「金田一役は絶対に合わないだろう」と思っていたし、期待もしていなかった…が、いやいや!これがすごくいい味を出していて、今更ながら渥美清のファンになってしまった!笑 やはり日本を代表する名優と言われるだけあって、さすがですわ。ひょうひょうとマイペースでコツコツと地味でやんわりとした金田一をじつにみごとに演じてます。そして物語の展開もまたみごとに引き込まれること間違いなし!ホラー色が確かに強く、金田一の名推理が核ではないもののミステリー、サスペンスものとして超一級の作品といえるだろう。おそろしくも美しい数々のカメラ・ワークも見逃せない。
平家の落武者?
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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
かつて平家の落武者8人を惨殺したという村で、
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コレはちょっと違うと思う…。
映画はサイコーです!!