秀逸の作品
★★★★★
本書は、相転移・臨界現象にまつわる非常に基礎的な事柄(1章から5章)と、厳密に解ける模型の話(6章から8章)の2部構成からなる。繰り込み群を説明している日本の教科書の中では、最も簡明に、かつ最も明瞭に書かれていると思う。具体例も非常に分かり易い。また、後半に書かれている厳密に解ける模型の話も、マニアックではなく、非常に一般的に知られている問題にのみ焦点を当てている点が良い。また、演習問題に解答が付されていることも評価に値する。
より発展的な内容を記述した本に進むための第一歩となる本である。第一歩とは言え、内容としてはしっかりしているので、この本だけでも十分価値があると言える。