試行錯誤中?
★★★☆☆
スクリーン・プレイは、これで何冊目かになるのですが、最近のものと若干違っています。
ひとつ目は、レイアウトが見開きではなくページごとになっていること。説明が下部に並べられていて、訳がマージンに寄せられています。この分、コンパクトにはなっているのですが、それらと英文を対照するのが若干面倒です。
ふたつ目は、語注の多くを日本語ではなく英語の同義語で表しています。私には、これがとても使いにくく感じました。日本語より厳密には近いイメージを表すことができるのかもしれませんが、イメージをつかむ材料として映画そのものが機能するのですから、簡便に日本語を示してくれれば十分だと思います。シリーズのいくつかを覗いてみると、日本語を使うか英語を使うかは、著者によるみたいで、この著者の方針は私には合いませんでした。
例文にも解説のスペースが割かれているのですが、他方で説明を付された単語の数が私の語彙レベルでは少な過ぎ、バランスの悪さを感じました。DVDもを見ながら利用するには、包括的な語訳が最も重要だと思います。
DVDを何度も見て、本はクイック・リファレンス的に使いたかった私には、あまり役立ちませんでした。高尚といえばそうなんでしょうけど、一般的な利用法には合っていないように思いました。最近のものには見られなくなった、このような造りは、まだ試行錯誤中だったということでしょうか。