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片山杜秀の本 3 クラシック迷宮図書館

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: アルテスパブリッシング
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音楽本の主流とは ★★★★★
久しぶりにこの方の本読み始めましていやいいです。鋭い。知らないことも補ってくれるし。実際に聴いてない人にはフィットしないかもですが。当分レコ芸に連載されていたものをまとめて出されるのではないかと思います。
著者の魅力が満載、あとがきも面白い ★★★★☆
この第三巻の方が第四巻よりも面白いな。選択されている作品(昭和の作曲家たち―太平洋戦争と音楽、中国のプロパガンダ芸術―毛沢東様式に見る革命の記憶、王道楽土の交響楽―満洲―知られざる音楽史、全体芸術様式スターリン、第三帝国と音楽家たち―歪められた音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学))がより刺激的だからかもしれません。
レヴュー全体を貫くモチーフは3つあります。まず方法論上での明確なprocrustean solutionの否定です。著者はcomfortableだけど知的怠惰に犯された「鋳型」や「図式」を否定します。そのアプローチから、cultural studiesや戦後民主主義の顕教に毒された作品も批評されていきます。むしろ音楽と暴力(戦争)との切っても切り離せない関係が示唆されるほどです。といってもそのトーンはあくまで温和な筆致です。淡々と矛盾とその幼稚な一面性が時にはユーモラスに呈示されます。
第二のモティーフは「日本の近代化と西欧の受容」という大きなテーマの中でのクラシックの役割です。ここでは急速な受容がもたらさざるを得なかった矛盾の観点から、様々な作品が批評されます。ここでは、すでに忘れらされたしまった底音が発見されます。(〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 (講談社学術文庫)チンドン屋の大将になりたかった男、癒しの楽器 パイプオルガンと政治 (文春新書))
最後のモティーフは、音楽という存在に対する絶え間ない模索です。ここでは音楽それ自体についての内外の様々な作品が取り上げられます。この三つの関心がどのレヴューでも見事に絡み合っているのが、この著者の魅力でしょう。
書評それ自体が作品である ★★★★★
連載を欠かさず読んでいた筈なのに、こうして一冊を読み通すとさらに感興が増すのはなぜだろう?
当時の媒体『レコード芸術』の範疇を大幅に超えていたのかも。
もっとも'90年代後半から、同誌がどんどん既成の枠組みを壊していこうとしていたのも記憶に新しい。
著者の筆力、編集の腕力だろうか。お勧めです。