教科書としての手堅さは感じますが、私向きではありませんでした
★★☆☆☆
最近ちょっと必要もあって統計を勉強したいと思っていて、実はかつて簡単な統計は扱ったことがあるものの情けないほど忘れて果てているため本当の初歩の初歩から再入門の覚悟でいるのですが、そんな中で本書も手に取りました。
あくまでもド素人の感想とお断りしておきますが、教科書として手堅く基本を押さえているのだろうなとは感じるものの、正直言って退屈。
眼前の問題に対して統計学をツールとして用いるためのハウツーというような「お下品」な本をめざしているのでないことは理解できるのですが、かといって「統計とは何ぞや」という問いをめぐって個性的な考察が深められていくというわけでもなく、統計学の主要な概念について項目ごとに説明していく構成ながら各章各項目の記述が簡潔に過ぎ、初学者にとっては素っ気無いばかりで興味が持ちにくいというのが私の感想です。
次はもう少し「お下品」な本をあたってみようと思いました。
統計学の基礎のきそ
★★★★☆
本書は数学(微積分)を用いず、電卓やExcelで行える程度の計算により統計学を理解する
ことを目的としてそのエッセンスをまとめたものになります。
事実や現象を調べ、その結果を統計的に推量し、その先(時間や方向)を想像し、ある程度の
確からしさをもって問題を捉えることを統計学の意義としています。
構成としては、統計の考え方、統計の解釈、統計分析の3部、全13章からなり、特に統計の
解釈に関して重点的に頁が割かれており、ここで実際的な統計的指標などを取り扱っており、
導出の過程や解釈に関しては十分な力が養えると思います。
全般的に簡潔で比較的理解しやすい解説ですが、それでも後半部になると難度があがり、
数式の意味があまり触れられていないので逆に理解しづらい面が出てきます。
また、図表のキャプションや説明が簡単すぎて、何をどのような条件で取得したデータなのかが
理解できないものが散見され、やや残念に思うところです。