18歳になる前に「強制的に大人になる」っていうことだよ。児童福祉法?なにそれ?
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言葉は悪いが、姥捨て山へ置いてきちゃってもお友達と一緒にホームで元気に生きていくから安心シナ。
こんな無駄なことに税金注ごうなんて血道をあげているんじゃなくて、本当に困っているこれからの未来ある児童・少女を救出して手を差し伸べてあげるべきだ。
少女の性を搾取「成人姉の運転免許書」を確認せずに契約してAV撮影したほうも迂闊ではあるが、売るしか生きるすべが無いのなら仕方の無いことではないか?
大人というが、実の親から「捨てられて」いるんだ。家に居場所が無いから「家出」するんだよ!
ほんとうに必要なもの
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援助交際や少女売春をテーマに書くルポはたいてい特定の少女たちを面白おかしく描き「10代の奔放な性」として無責任に終わるものが多いが、作者は一人一人の家出少女の生き様を幼年時代から聞き取り、少女たちに共通してある、様々な暴力や虐待の被害を明るみにする。数年にわたるルポの中で、少女買春の現場は、場所もルートもすさまじく変化している。作者も強調しているように、売春で傷つき、また売春で生き延びることが出来ている子どもたち。遠い国の話とおもってしまうが、これが日本の現実なのだ。子どもたちよりももっと大切なものが、この世にあるだろうか。子どもたちが大人から傷つけられ、放置されている社会が成熟社会の日本なのだろうか。
あとがきで作者が言うように、一刻も早い児童福祉の充実が急務だ。それを実現するには、私たち市民ひとりひとりが声を上げていかなければいけないのだ。
子育て中や子供達と関わる人に
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綺麗事では生きていけない、必死に生きている少女たちの話です。
子育て中の方や教育関係者子供達と関わる全てのの方に読んでもらいたいです。
そして同じ10代の人にこそ読んでもらいたいです。
現代社会の暗部を照らし出す良作
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現代社会の暗部を照らし出す良作です。時に奔放に、時にスキャンダラスに見える援交少女たちの青春の陰に、実は家庭崩壊があり、肉親による性的暴行を含む家庭内暴力があり、彼女たちを蝕み搾取するドラッグや闇の組織があることを明らかにしています。
最近の生まれたときから不況だった世代はどうだか分かりませんが、日本経済の絶頂期を多少とも知っている世代は、どうしてもこういう若者たちに対して「甘えなんじゃないか」とか「親の教育が悪い」とか「自己判断=自己責任じゃないか」とか考えがちで、豊かで選択肢がありすぎるが故の逸脱だと考えてしまいがちです。メディアの報道のせいもありますが、90年代の援交容認の社会学者の論調の悪影響もあるかもしれません。
しかし、用意された理論に現実を当てはめるのではなく、当事者の事情を生い立ちからこと細かく聞きだし明らかにするのが、こうしたルポライターの仕事のいいところで、中産階級的道徳観から他人を裁断するのでは現実を見失うことを示しています。
この書物によると現実の問題は、絶対的貧困や福祉の無策にあることは明らかであり、彼女たちはその犠牲者にすぎないことが示されています。
すなわち、第一義的には両親の離婚や、それに伴う貧困、養育能力の無い親のアルコール依存等、家庭的不遇の犠牲者であり、次にそれらをサポートすべき国家の福祉政策の絶対的貧困の犠牲者なのです。
これらの現実を目の当たりにして、私たちは、自らの相対的に恵まれた環境、自足的な道徳観・倫理観に踏ん反り返り、無力で無垢な犠牲者を放置して、沈黙を貪ることは最早許されないのではないでしょうか?
本当の怪物たちよ、児童福祉の充実を早急に!
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単純に「家出少女」として括られ、堕落した若者の象徴のようにTVで報道された少女たち。しかし、その裏にどれだけ凄惨な事情があり、その先にどれだけ悲しい未来があるのかを、この本を読んで初めて知り、言葉を失いました。
この本で取り上げられる少女たちは、援助交際を経験しています。それにもまた様々な理由があり、様々な末路があるのです。辛い境遇に負けず強く生きてゆく少女もいれば、精神を病み、消息を絶つ少女もいる。無論、圧倒的に多いのは後者です。
彼女たちがそうなる理由の多くは、貧困であり、家庭内暴力であり、蔓延する違法薬物であり、現実を見ていない法の規制がもたらす混迷です。
子供が死ねば、無為無策の骨頂として悪者にされる児童福祉施設。でもそこで働く職員たちは、少ない予算と人員と数多くの規制の中で、己の無力感に苦悩し、疲れ果てているのです。そしてそれ故に救われず、生き地獄を味わい続けなければならない子供たち。この現状を知って、それまで何も知らなかった自分と、本気で子供たちを救おうとしない政治に対する激怒で手が震えました。
「いまの若者はモンスターだ」と言う識者がいます。しかし、彼らを健全に育てる責務を果たさず勝手なレッテルを貼り、ろくでもない政治家に票を入れ、腐敗官僚の横行を許し、無責任な元首相たちによる格差拡大ゆえの貧困を見逃してきた私たち大人こそが「自覚なきモンスター」だったのではないでしょうか。何よりも、大人には、子供たちと異なり、参政権があるのです。本当に何もできなかったというわけではないはずです。
もはや一秒の余裕もありません。すぐに行動を起こしましょう。募金でも、政治家や知事への嘆願書でも、ボランティアでもいい。いつの間にか精神的貧困大国と成り果てた日本で声のない悲鳴をあげる、この国の未来そのものである子供たちを救うために。