この本の良さは、多色刷りで、必要な表やグラフがきれいに示されていることです。これは有力塾のテキストよりも非常に優れている点です。
文章の記述も簡潔でありながらも分かりやすく適切なものです。きっとやる気のある子の知的好奇心を刺激することでしょう。
しかし、やはり問題は不要な情報の多さです。今ぱっと見たところで、「レトルト食品」「北海道南西沖地震」「笠野原」「きゅう肥」「坂田団十郎」など、まず問題として聞かれない語がいくつも出てきます。しかも太字になっていたりするのですから、いかがなものかと感じざるをえません。歴史ではややマシなのですが、地理での過剰な知識は目に余ります。
辞書的に使うという方法で使うのがいいかもしれませんが、こういったテキスト的な本は、塾の公式テキストなどに一元化するのが望ましいので、使用方法としてはあまりおすすめできません。特に基礎知識もあいまいな子(大手塾で社会科偏差値62以下)は使用を避けたほうがいいかもしれません。
ただし、塾テキストではやる気が起きないという子に、カンフル剤として使用するのはいいと思います。