コロンボの日本語版は、英語タイトルからの訳し方がそれぞれうまい。「逆転の構図」は英語だとnegative reactionで、原義を微妙に変えながらもうまく伝えているところがニクイ。

このシリーズは「逆転の構図」「権力の墓穴」おめあてで購入。この二作のように犯人役だがとくに高慢で社会的地位のあるタイプの場合、それと対峙するコロンボの面白さが余計にいい。

「逆転の構図」では、コロンボがシスターからホームレスにまちがわれて食事を恵んでもらうシーンだとか、あのよれよれコートが７年着ているなど、小ネタも楽しい。


唯一このDVDセットへの不満といえば、例の日本における「コロンボ」のテーマ曲がかからないこと（これは知られるようにアメリカ版ではコロンボだけのテーマ曲ではないから）。その分、自分でBGMを補完すべし。

家族でも見られ、７０年代の都市風俗が資料としても楽しめます。

　言うまでもなく、このセットに最高傑作と名高い「別れのワイン」は含まれていません。それで、セット２にするかを結構迷ったのですが、「白鳥の歌」、「忘れられたスター」そして、「仮面の男」など個人的２位以降の作品が含まれることもあって、こちらの方を選択しました。結果は、満足しています。上に上げた作品の他にも、「権力の墓穴」、「愛情の計算」などがいい味出してます。むしろ、「別れのワイン」以降の方が作品が円熟期に入ることを確認できるセットでした。