ホラーのレヴューで使うのも変ですが、綺麗な作品でした。

マイケルの幻想（でも本人には現実？）のシーンは、
長いプロモーションでも観ているのでは？？？と思わせる程幻想的です。

元の作品は残念ながら見ていないので
本作だけの感想になってしまいますが
ホラーのはずなのに
美しさすら感じました。

確かに猟奇的なシーンはあるにはあるんですが、
あまり印象に残らない。
むしろちょっとエロ話する爺とかがが導入されてちょっと作品をB級に落している感じでしょうか？

それだけ、マイケルの頭の中の世界は美しい物で形成されていたということなのか？
でも、そのマイケルすら妹の描いた幻想なのか？

最後まで難しい作品でした。

作品の底辺には家族の絆という普遍的なテーマが流れています。

あと、人の身体にものを乗っける表現が好きだなー（ホラーショーでもそういうシーンがあった気がします）と思いました。
でも綺麗だったのでいいです。

前作の「ハロウィン」が、ほぼカーペンターのオリジナル作に忠実な作り方をされていたのに対し、本作は序盤こそ、オリジナルの「2」を下敷きにしているだけで、後の展開は全くの別物。
ストーリー展開そのものより、監督本人の映像美学で押し切ろうとしているような印象を受けた。
この辺の評価に関しては、受け手の趣味嗜好の問題があるので、一概に良否を判断することは出来ないかも知れないが、私個人としては、あまり感心できるものではなかった。
オリジナル作と違い、幼少期のマイケルに人間味を持たせ、母親との関係を強調している辺りは、新機軸といえるかも知れないが、ただマイケルが、その母親の亡霊（？）の指示に従って動いているような印象を受けてしまい、さっさとヒロインの元に行けば良いものを、無駄な道草ばかり喰っているような気がしてならない。
だがオリジナル作のファンにとって、一番我慢がならないのは、マイケルの宿敵ともいうべきサム・ルーミス博士のキャラクターを大幅に改変したことだろう。
どう改変されたのかは、ご覧になっていただくのが早いかと思うが、売名行為と金儲けに熱心な下らない俗物に成り下がっている。まあ演じているのが、ドナルド・プレザンスではなく、マルコム・マクダウェルだから、いいのかも知れないが……。
オリジナルの「2」は、病院を舞台にしたサスペンス・ホラーだったが、リメイク版では、病院のシーンは冒頭の10分ほどで、後は全く別の展開になる。オリジナル版のクライマックスシーンを、いきなり冒頭にぶつけて来たのには少々驚いたが、こんなことをして、残りの部分が持つのかどうか、観ながら心配したが、事実、その通りになってしまった。
出し惜しみも良くないが、あまり思い切ったことをすると、後で付けが回って来るという、良い見本だ。

前作ほどのインパクトはあまり無かった。個人的に続編は必要無かった気がするな。なぜなら前作の完成度が高過ぎたから。
前作は殺人鬼の幼少時代の話を15分くらいじっくり見せてドラマ性が濃く、彼が成長して殺人を繰り返していく中にも何かもの悲しさがあり、愛する妹と再会するも自分が兄だと結局気付いてもらえず、あの壮絶で衝撃的なラスト…。
この後の話は想像に任せる形で、単作で終わらせた方がより作品の価値が高まったはず。非常に残念。

それでも一応質の高いホラーにはなってますので、前作ほどもの悲しさは無いものの、楽しめますよ。

誤解を恐れずに言うならば、美しい作品。救急車と満月をバックにしたマイケルのカット等、一瞬スラッシャー映画である事を忘れさせるそのカットは、ロブゾンビ御大の美的感覚を堪能できる!また至る所に御大の感性が息づいているシークエンスは観ているだけで、息苦しくなっており、ホラー映画として完成している。マイケルの精神世界を母親のビジョンとコネクトしながら表現する手法は、前シリーズとは異なる点で、この点は従来からのファンからは賛否両論だろう。マイケルの内面へのアプローチという点で私は肯定的に捉えました。

全体的にまとまりがなく、スローシーンや無音の使い分けが中途半端でストーリー展開を壊しています。前作は子役が上手く精神的に病んだ姿を表現しており、マイケルの残忍さを象徴できる仕上がりでした。しかし、今作は無駄な回想シーンが多く、キャラクターのイメージも一変しています。ルーミス博士の冷静さも失われ ローリーのあどけなさも薄れています。又、ハロウィンの不気味な雰囲気はマイケルの素顔が隠されていたことにあり、それをさらけ出すことで別物になっています。オリジナルを尊重してリメイクしてほしいもので、 ハロウィンファンということで3つの評価です。