こんな言い方が許されるかどうかは分からないが、市場で受け入れられる楽曲とアーティストが自分で気に入っている曲は違うものなのかも知れない。だとすれば、このgrassは、元春本人のためのAnniversaryアルバムではないだろうか。そんな気がする。一般的な華やかさはないかも知れない。しかし永く聴いても飽きのこない、元春の気持ちがこもった楽曲群。そんなピュアなアルバムだ。だからこそ、聴き込むとなかなか抜け出せなくなる。
20th Anniversary Editionも持っているが、ふと気づくと繰り返し聴いているのは、このgrassのほうだったりする。どうやら僕らは、元春の手のひらから逃れる事はできないようだ(笑)。