摩天楼の詩人が放つ、タイトルどおりジャケ写通りの恍惚のロックンロール・アルバム。マイケル・ラスケやフェルナンド・ソーンダースといった長年連れ添う職人連中から繰り出されるグルーヴの壁に、それを邪魔することなく緻密に配置されたホーンセクションやパーカッションがさらなる厚みを加えている。
   <1>の「これがロックだ」と言わんばかりのギターリフに始まり、VU時代の名曲「ヴィーナス・イン・ファーズ」を思わせるタイトル曲の<4>で妖しい世界へといざなわれ、ストレートなロックンロール<7>でアドレナリンが爆発し、美しいバラード<11>に涙を流しているころには、あなたももうエクスタシーの境地。「ニューヨーク」に並ぶ名作と言っても過言ではないほど素晴らしい作品｡（川島うどん）