ノー・クォーター [DVD]
価格: ¥3,900
ドラマーのジョン・ボーナムが亡くなり、レッド・ツェッペリンの活動に決定的な終止符が打たれてから長い年月が経過した。それでもツェッペリン人気は衰えることなく継続している。メンバーたちが『No Quarter: Jimmy Page & Robert Plant Unledded』のような傑作アルバムを発表し続けているのだから、当然の成果と言うべきか。その『No Quarter: Jimmy Page & Robert Plant Unledded』だが、1994年に初リリースされたCD版が、この度リマスターされて再び届けられた。それと時を同じくして、このDVD版の登場だ。特典映像を含め、総タイム115分間。収録はロンドンのサウンドステージ、ウェールズのスノードニアにある丘陵地帯、そしてモロッコのマラケシュ郊外で行われた。ギタリストのペイジとボーカリストのプラント以下、多数のミュージシャンが参加して新曲を披露するが、演奏曲目の大半はツェッペリン時代のレパートリーだ。やはり、と言うべきだろう。この2人がバンド内で力を合わせてやったことは、個別に手がけたどの仕事よりも優れているからだ。プラントのソロ活動におけるいくつかの佳品、ペイジのファームを結成してからの不振ぶり、いずれも過去を知る者には物足りなかった。とはいえ、2人は単にツェッペリン時代を機械的に再現しようとしてはおらず、「Stairway to Heaven」や「Whole Lotta Love」のような今さらの定番曲には頼っていない。その代わり、「The Battle of Evermore」とか「Gallow's Pole」といった比較的なじみの薄い曲に、バウロン(アイルランドのドラム)やハーディ・ガーディ(樹脂を塗った輪を回転させ、弦を擦って演奏する楽器)などのエキゾチックな楽器を追加し、音楽に新たな生命を与えている。3つの素晴らしい新曲は、モロッコ人演奏家によるカルテットとの共演。さらに、「Since I've Been Loving You」他ではロンドン・メトロポリタン・オーケストラのストリングスが総動員され、「Kashmir」の壮大なバージョン(これもロンドンでのセッション)ではエジプトの打楽器と弦楽器が多数使用される。ワールド・ミュージックの要素を導入したことで、なかなか刺激的な1作に仕上がった。5.1chサラウンド対応のサウンド・システムをお持ちの方なら、とりわけ楽しめるだろう。(Sam Graham, Amazon.com)