欲望 [DVD]
価格: ¥3,990
日本映画としてはめずらしく、男と女の性を真正面からとらえ、官能的な映像に結実させた1編。小池真理子の原作のテーマを損なうことなく、見事に映画化された。中学時代から正巳に好意を持っていた類子だが、正巳は親友の阿佐緒に想いを寄せていた。その後、図書館司書となった類子は、妻子ある男との肉体関係に溺れていたときに阿佐緒と再会。親子ほど年の離れた精神科医と結婚を決めた阿佐緒のパーティに招かれた類子は、そこで正巳とも会う。
時を経た親友3人の関係は、再会によって濃密になっていくのだが、正巳が性的不能であるという事実が、さらに関係をややこしくしていく。要所に鮮烈な性描写があり、なかでも、類子が不能の正巳と何とか結ばれようとするシーンは痛々しくもエロティック。しかし、映画全体に漂うのは、純愛のようなピュアな美しさだ。正巳が傾倒する三島由紀夫作品との関係など、文学的要素も多く、結末が、さまざまな想像をかき立てる。主演3人は、複雑な役を文字通り体当たりで演じきり、背景となる70~80年代のカルチャーが、どこか郷愁を誘う。(斉藤博昭)
迅速な対応で満足。
★★★★☆
迅速な対応で満足。