学部生でしたら、空間統計学にはどのようなトピックがあるのかをざっと調べるのに使えると思いますし、また部分的には理解できると思いますが、基本的には大学院以上の人向けかなと思います。
空間統計学は、1.空間点過程、2.ランダム集合理論、3.確率場・回帰、の3つの方法に大別できて、本書2章では、点過程の理論、3章ではギブス点過程とメトロポリス法、4章は3章の応用であるマルコフ確率場モデル、5章はランダム集合モデルと関連するステレオロジ、モルフォロジ理論について解説してあり、6章では空間回帰モデルであるクリギング法について書いてあります。
それぞれの章は、基礎的なことを丁寧に説明してあるわけではありませんので、本書で概要を知ってから、興味を持った分野を参考文献一覧から探して読むというような使い方になると思います。
空間統計学に興味を持った人にとっての、ひとつの指針、または案内役として重宝する本であると思います。