走るトラックから投げ出された産業廃棄物の影響で、クモ研究所のクモたちが巨大化し、人間を襲い始めていく。父の炭鉱会社を継ぐため町に帰って来たクリス（デイヴィッド・アークエット）や、シングルマザーの保安官サム（カーリー・ワーラー）、その息子でクモ博士のマイクなどが、やがてこれに立ち向かうはめになるが…。
 『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ＆ディーン・デブリンのコンビが、最新VFXを駆使して、1950年代モンスター・ホラー映画にオマージュを捧げるかのごとく製作した作品で、監督はエロリー・エルカイエム。単に恐怖を追究するのではなく、田舎町の人々のやりとりがかもし出すのんきなおとぼけをミックス。巨大クモの襲撃シーンなども、リアルだが何となくブラックなおかしみがあり、こちらも何となく微笑ましく観ていられる。ただし、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』のクモのシーンに寒気を覚えた方などには、あえておすすめはしない。念のため。（的田也寸志）