朝敵徳川慶喜家来山岡鉄太郎、明治天皇を投げ飛ばす。
★★★★☆
剣と禅を極めた割には、居候を何人も養ったり、自分で大酒を飲んだり、はたまた借金の保証人になって苦労したりするお茶目な一面もある山岡鉄舟ですが、常に他人の為に自らを投げ打ちます。
身の危険を顧みず、主君・慶喜の意向を大総督府に伝え、江戸を戦火から守り、駿河に移住した旧幕臣の為に茶畑の開墾に尽力したり、西郷や勝の依頼で侍従となり、明治天皇の教育係として、一国の君主だからこそ、立派な君主になってもらいたいからこそ、臣下がお諌めすべきと、悪ふざけの過ぎる天皇を投げ飛ばして諌めたりもします。
そこから見えるのは、国家の為に他人の為に、常に自分が前に進もうとする姿勢です。失敗や敗北は素直に認める。そして、辛い時は目をつぶってもいいから、無私の精神で前に進もうとする山岡鉄舟の姿は、常に自分が大事で何でも他人や周囲のせいにしたがる現代人への警鐘だと思います。