妖しくもポップなVELVETSのカヴァー
★★★★☆
VELVET UNDERGROUNDの代表曲”All Tomorrows Parties”のカヴァーがとても格好いい。
原曲のダルなガレージ風曲調を、高揚感を秘めたエレガントなダンスミュージックへと昇華、自分達のオリジナルさながらだ。
シルビアンの歌いっぷりも非常に心地よさげ。
アルバム全体にもそんなロックとダンスミュージックとのせめぎ合いが貫かれ、統一感がある。そして、よく言われるように
彼らのキャリアの中でもとりわけポップなメロディが散りばめられている。
2ndの重すぎる空気(それもまた、たまらんのだが・・・)からやや飛翔してみた、といったところか?
それゆえ聴き易いながらも、彼らの妖しい個性をきちんと伝える本作はJAPAN未体験の人に勧めやすい。
ファンはもちろん必聴。
ジャパンの代表的な一枚。DVD付き。
★★★★★
「ブリキの太鼓」とならぶジャパンの代表作。
ジャパンはデビット・シルビアンの秀麗なルックスから初めに日本でアイドル的な人気を博し、後に本国UKでその音楽性の高さを評価された。
人気と反比例するように音楽は難解になっていき、日本での人気は低下していくという特異な軌跡を刻んだグループである。
本作品はジャパンの耽美でポップな部分を象徴する一枚。
これに対し「ブリキの太鼓」はジャパンの深い音楽性と哲学を示した一枚。
本作品に収録されたクアイエット・ライフはニューウェーブ時代の名曲の一つと言ってよい。
BMG盤(EU)の方が音がいい!
★★★★★
この作品の内容はほかのレビュアーの方にお任せするとして、私はUS盤を先に買って、「ちょっと音が細い」と感じたので、ためしに先にリリースされていた2004年EU盤を買ってみたところ、こちらの方が断然音がいい!これはきっとマスタリングの違いによるものだろうけど、2004年EU盤の方が丁寧に仕上げれた結果だろう。値段は高いが、私は買うなら断然、2004年EU盤BMGプレスを買うべきだとご提言さしあげます。音が太くどっしりしていて、スティーヴ・ジャンセンの繊細なドラム・ワークがしっかり堪能できます。
MADE IN GERMANY
★★★★★
UK盤が届きました。
13のQuiet Lifeはプロモーションビデオです。
静かな生活
★★★★★
2005年にリリースされた再発盤。
オリジナル・アナログ盤を丁寧に再現した、美しい意匠のジャケット。
当然、ゲートフォールドになっており、しかもCDを包む薄い
ヴァイニル袋も再現。
但し紙ジャケット盤故、我が家のCDを整理するラックには入らない。
ヴィクター自慢の24kリマスタリングが冴え渡り、全編濃密な音の
魑魅魍魎とシルヴィアン氏のデリケートなヴォーカルが楽しめる。
素晴らしいリマスタリング作業である。
シルヴィアン氏がブライアン・フェリー氏を明らかに意識したファッション、
陰鬱なユーロピアン嗜好、などその音楽性に限らず路線変更を
した、とされる盤。
その背景にはその後更に進化する演奏陣の技術の飛躍的な
進歩があったから、というのが一番の原因かもしれぬ。
特にジャンセン氏、カーン氏のリズム隊のセンスとテクニックが融合していく
様は大変魅力的。
シルヴィアン氏のヴォーカルも特に抑制が効いて、1st、2nd、にあった
変な節回しは、この作品で意識的に抑え目。
シングル「東京の生活」をジョルジオ・モロダー氏と製作、その
経験を生かしていきなりディスコ・リズムで、しかもかなり憂鬱な
シンセを伴ってスタートするオープニングにまず驚く。
オリジナル発売当時、「ロキシーよりもロキシーらしい」などと揶揄された
事もあるほど、元祖ロキシーより濃密な音楽であった事は間違いない。
事実、当時ロキシー・フリークであった私も、この盤を持って
JAPANに乗り換えたくらいであったから。
アリオラ契約終了によりこれ以降、ヴァージンへ移籍、
「紳士はポラロイド写真を撮る」にてその完成度は頂点を
極める。