連載モノはやっぱり良い。
★★★★★
百合と言う括りだけで語ってしまうと損をする位しっかりした物語。起承転(結はまだ)をきちんと踏んで、それぞれのキャラが充分にその魅力を発揮している一大スペクタクルです。
遠い異国より輿入れした姫君、但しその突飛な行動ときつい性格は折り紙付き。その存在感が際だっていた一巻に比べ、今巻は彼女の内面が垣間見え、解きほぐされていく心が描き出される。しかし、本国からの密命を帯びていること明らか。
皇国の皇位継承権第二位の皇子、優しき中にも芯があり、様々な出来事の中で姫への恋を紡ぐ。しかし、彼女は本当に「第二位」なのだろうか。
第一皇子、皇室を取り巻く様々な策謀の「実は黒幕」に見えるが、本当にそれだけなのか。彼が姫の侍女をも操る様に見えるが侍女の真の主人はいったい誰?
様々な謎が出そろいました。極めつけは「体に傷でも付いたら意味がないもの」の一言。さあ、誰が誰に言った言葉でしょう。此処までお膳立てされれば、ドキドキするなと言う方が無理というもの。少しずつ通じ始めた心と恋の行く末にどれだけワクワクしながら三巻を待つことになるのやら。