センセイが一人で写楽捜しの「ゲーム」をはじめる、登場人物の人間関係に触れられるなど、今までのシリーズ作品とは少し違った趣きです。その上、作者のもう一つのシリーズ「鳥玄坊」を彷彿させるエンディングには驚かされました。
虚実を入り混ぜての作風は本書でも健在で、読んでいるうちに、ここに書かれていることは実際にあったこと・事実なんだと思わされます。競馬界での陰謀(?)や、銀座の高級スナックでの値段の出し方など、写楽のこと以外のウンチクも楽しく読めました。