カフェイン 寒気
★★★★☆
先ず、ベストであることは置いといて。 RADIOHEADを聴いてる時に回顧するのは、コーヒーを飲みすぎたときの感覚である。私は紅茶派であるから普段飲まないため、直ぐカフェインが飽和してしまう。すると芯から寒くなる。指先が震えだし、最初はそれが可笑しいのだが、直にネガティブな感情に変換する。無気力でもう眠りたいのに妙に冴えて思考が脈絡もなく止まらなくなる。「KID A」の様なメッセージ性の強いアルバムを聴いていても、優しい曲調の、例えば「HIGH & DRY」とかを聴いていても、何か冷たい。冷たくて眠れない。脳に穿たれた盲目という穴を、凍った針で縫われている。覚醒して、目を閉じることも許されない。 個人的にはそんな感じ。
レディヘ苦手としては
★★★★☆
このCDでレディオヘッドがどんなバンドなのか知った人間(洋楽を中心に割とロックは聞く方)の感想を言えば、ベスト版として価値はあると思う。実際僕はレディオヘッドの一端を理解できたから。つまり、いままで理解しがたい音楽をやってるなと感じたアルバム主体の聞き方と違い、一曲の凄さや美しさを気付かせてくれる。Let Down聞いて、こんな美しい曲があるのにびっくりしたよ。O.K.コンピューター何度も聞いてるけど、気付かなかった。たどり着けない、途中で疲れちゃって。
虹色のベスト
★★★★☆
感想は美しいの一言。是非レディオヘッドをあまり聞いた事が無い方は聞いてほしいと思います。それぞれの時代やアルバムに「これは聞いとけー」的に友人たちに聞かせていた曲群が収録されております。気に入った方はオリジナルアルバムにそれぞれ踏み込んでいって貰って、脳を刺激して貰って下さい。最初レディオヘッドを聞いた時「OKコンピューター」ですが、そこらのヘヴィロックやKORNなどを聞くよりよっぽど「怖かった」のを覚えています。まるで世界の終りが来たような、人間の冷たい部分を歌っているような、非常に怖いバンドだなと感じたのを覚えています。ですが何度も聞いているうち、人類の目の背けたくなるような部分も歌っていて、しかし人間の儚くて美しい部分も同時に表現されていて、スリルと同時に安らぎを与えてくれるバンドです。是非初めての方、このベストを聞いてみてください。
初めてのレディオヘッドリスナーのために
★★★★★
ファンなら誰もが「似合わね〜」と心の中で叫んだであろう、レディオヘッドのベスト盤。アルバムごとに作風をシフトさせ、ロックそのものをシフトさせてきたアーティストだけに、ベスト盤というのは確かに微妙なパッケージである。
しかし、「現代最高峰のロックバンドの一つ」として多くの人が名前こそ知っているものの、肝心の音楽を聴いたことがまだ無い、というリスナーも相当数いると思われる。そんなリスナーにとって、ベスト盤は格好の入門となることは事実だし、特にレディオヘッドの場合、彼らがこれまで残した音楽の全貌を捉えようとするならば、オリジナル盤1枚では確実に無理なわけで、そう考えるとこのベスト盤の意義はあると言える。なんだかんだ言って、ベスト盤のない大物ミュージシャンなんてほとんどいないわけで。そういう自分も、数多くのベスト盤にお世話になってきたわけで…。
さて内容だが、2枚組30曲というのは、ちょっとボリューム多すぎではないか?と心配する。レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベスト盤みたいに、15曲くらいに絞り込んだ方が、ベスト盤としてはちょうど良いサイズなのに…と思ってたら、これは2枚組の「2CDエディション」。コンパクトに代表曲だけを聴くなら「1CDエディション」の方がおすすめだ(と言っても17曲も入っているが)。
とにもかくにも、このアルバムは「レディオヘッド未体験者」のためのものである。ファンが買う理由があるとすれば、オリジナルアルバム未収録の「Talk Show Host」が収録されていることと、日本一のレディオヘッド理解者&熱狂的ファンである田中宗一郎氏の詳細な解説が読めること、であろうか(笑)
自分のようなファンには、このアルバムが「レディオヘッド入門」に最適かどうかは分からない。が、初めて聴く人には、彼らの、恐ろしく高い創造性をもって生み出された、息をのむような美しい楽曲の数々を、ぜひ楽しんでもらいたいと思う。
「EXIT MUSIC」
★★★★★
EMIの最近のレディオヘッドの売り方の中で聴く「EXIT MUSIC」に耳を澄まそう。
『OKコンピューター』の中で鳴らされるそれとは意味が違う。
トムが、レディオヘッドがメジャーレーベルを見限った事に対する絶妙な皮肉と悲しみの歌に聞こえて来ないか?
「決まりごとと知恵とやらで、あんたらの息が詰まればいい」
「今ぼくたちはひとつ、永遠の平和の中」
平和の中、虹の中
まさしく
「IN/RAINBOWS」では安らかな音が鳴ってるじゃないか。