中小小売店の戦略本です
★★★★☆
自分自身の中では「家電の買物は量販店で」
という図式が既に出来ておりました。
他の大多数の人もきっとそうであろうと思い、
時々見る小さな家電店の経営は成り立っているのだろうか?
という疑問が常々ありました。
実際この本の中でも、多数の小型家電店の経営は苦しい
、ということの説明からスタートしています。
そのなかでも順調に利益を伸ばしている小売店があり、
その家電店にスポットを当てています。
その戦い方を簡潔にまとめますと「弱者の戦略」に徹しているということです。
とくに印象的だったのは、大阪の「アトム電器チェーン」の井坂社長が言う、
小売店を大と小に分けた戦略です。詳しくは本書を確認していただくとして、
どんな商売にでも自分の身の丈に合った商売に徹することが
重要であることを説いてくれています。
具体的な戦略・戦術を丹念に取材したビジネス書で、
中・小規模小売店の経営者の方々にも参考になる内容だと思います。
小さなお店が生き残るためのノウハウが詰まってます
★★★★★
小さなお店は、大型店に潰されてしまう存在なのか?
この本で取り上げているのは、町の電器屋さんがヤマダ電機など量販店とどう戦ったら生き残れるか?、ですが、決して電器屋さんだけに止まる話ではありません。
「小さなお店が生き残るには、大型店と同じことをしていてはダメ。
小さなお店だからできる戦略を徹底すること。」
まとめてしまえばこの一言で集約できますが、すごい勢いで売上げを伸ばしている町の電器屋さん=『でんかのヤマグチ』、『アトム電器チェーン』、『セブンプラザ』を密着取材しているため、圧倒的な説得力があります。
それぞれのお店の戦略が、赤裸々に語られていて「そこまで書いていいの?」と思ってしまうほど、詳細に、丹念に描写してあります。
電器店はもちろんですが、それ以外でも小さなお店を経営している方には必携の一冊と言っても良いのでは?
また、もう少し広義の意味で読み取れば、中小企業の経営者にも良い教科書となりそう。
それと、「町の電気屋さんは、どんな商売をしているの?売れてる感じが全然しないのになんで潰れないの?」という疑問にも見事な回答を提示してくれます。