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モンゴルが世界史を覆す (日経ビジネス人文庫)

価格: ¥950
カテゴリ: 文庫
ブランド: 日本経済新聞社
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貴重だが、残念。 ★★☆☆☆
著者は、様々な原点資料から、
ユーラシア大陸に起こったモンゴル帝国の重要性を説き明かす。
それは世界史理解の上で、とても貴重な、示唆に富んだものです。

ただ、この「本」に限っていうと、
雑多な文章を寄せ集めて流れを付けて並べているので、
何度も同じ結論が登場する。
初出の文章がそのまま掲載されているので、ほぼ同じ表現が何度も出てくる。

経済を社名に掲げる企業のビジネス文庫なら
この程度でもいいのでしょうか。
そう思っているとしたら、編集者も著者も、考えが甘いし、間違っています。

著者は、これまでの「イメージと先入観で語られてきて定着してしまった世界史」を批判しますが、
この本が、それと同じことになってしまっている。

たとえば、本の説明文にも書かれている、
「モンゴルは戦わない(平和的協調の)軍隊だった」ということ。

実際には、モンゴル軍は限られた兵力で多大な敵と戦い、
領地を占拠していかなくてはならないので、自軍の減少を最小限に留めたかった。
できることなら戦わないで勝ちたい。
そのために戦う時は徹底的に殲滅し虐殺し、
事前に相手が戦意を喪失するほどの猛攻を加えたのです。
*この辺は『モンゴル帝国の戦い』(ロバート・マーシャル)が詳しい

著者の論旨では、不十分すぎるでしょう。
せっかく世界史理解において重要な補助線を引いてくれそうな書物であり、
著者なのに、残念です。

遊牧民の創った世界を初めて明らかにする ★★★★★
殆ど知られていなかったユーラシア内陸部。そこに焦点を当てて、長年にわたり調査した力作。従来の歴史観を塗り替える力を持った本です。
海のシルクロードより世界を創ったのが遊牧民族であった事を実証しています。
推薦できます。
ユーラシア史を肴に、人類の歴史と文化を縦横に語る ★★★★★
 著者の杉山教授は、モンゴルをはじめとする中央ユーラシア史の研究で名高い歴史家です。多作で鳴らす先生ですが、本書は、「世界史」を真の意味で「世界史」たらしめるためには中央ユーラシアという視座が決定的な意味合いを持つとの問題意識を中心として、古今東西の歴史や文化を縦横に語るエッセイ集です。
 扱われる話題は多岐に亘りますが、モンゴル帝国がその後の人類の発展に及ぼした影響、元朝の側から見た元寇の位置付け、今日のアメリカとモンゴル帝国との比較、世界史上における「帝国」の分類と考察など、東洋史ファンならずとも興をひかれる内容が豊富に語られています。
 わけても、トプカプ・サライでの青花磁器との出会いに関するエピソードは、歴史という人類の営みに対する遥かな思いとロマンを感じさせます。また、本書の最後に収録された、書物と読書に関する筆者の思いを綴った文章には、読書愛好者として、また歴史ファンとして、限りない共感を覚えずにはいられませんでした。学部生など、若い方たちも是非一読をおススメしたい一冊です。