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あなたの知らないガリバー旅行記 (新潮文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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スウィフトにも負けない阿刀田氏の毒の強さ ★★★★☆
 阿刀田氏のファンでもない私が、この本を読みはじめたのは、ひとえに『ガリバー旅行記』が懐かしかったからです。

 昔むかし、昭和40年代に、NHKラジオ第一放送で夕方5時半頃にラジオドラマを放送していました。月曜日から金曜日まで、約10分の名作ドラマシリーズでした。
 短い作品で1週間、長い作品だと1か月くらいに分けて放送してくれます。
 どんな作品だったかほとんど忘れてしまった中で、江守徹氏の『地底旅行』(ジュール・ベルヌ作)と、小沢昭一氏の『ガリバー旅行記』の二つが印象に残っています。
 そんな個人的思い出の『ガリバー旅行記』を阿刀田氏はどのように紹介してくれるでしょうか。

 読んでみると期待通り。豊富なウンチクをお持ちの阿刀田さんですから、『ガリバー旅行記』の内容をおもしろおかしく語ってくれました。
 阿刀田氏の指摘では、古典文学の例にもれず、作中に登場する地名等を引用した後世の作品も多いとのこと。空飛ぶ国の名前「ラピュータ」は、宮崎駿監督のアニメ作品のタイトルでも有名ですね。

 また、阿刀田さんは、作品にかこつけて、自分自身のこともたくさん語っていました。
 小沢昭一さんも個人的回想の一部に登場してきましたよ。何でも、小沢さんは同じ大学の、同じ仏文科の、同じ教授に習った先輩とのこと。

 不思議な因縁で、小沢昭一さんが登場しました。

 付け足しのように著者を紹介すると、阿刀田氏は短編の名手として知られています。
 2004年に出版された『風の組曲』は、薄気味わるい連作短編集で、最後のドンデン返しの心地よさと、背筋が寒くなるような読後感が印象的でした。

 スウィフトの毒は過激です。
 それを解説する阿刀田氏の毒も、なかなかのものですよ。
ガリバー旅行記の虎の巻 ★★★★☆
 「小人の国」が多分一番有名だろうと思われる。
 次に宮崎駿の影響もあって、「ラピュタ」という名前の空に浮かぶ国も知られただろう。

 ガリバーは、合計4回の航海に出て、その度に遭難したり、海賊にさらわれたりして未知の国にたど
り着く。小人の国、大人の国、ラピュータ国、馬の国など、そして、イギリスへ帰るために一度は来日
も果たしている。などなど、旅行記の内容は当然であるが、話の背景にある風刺についてや作者スウィフトについても語られている。

 ガリバー旅行記に真っ向から取り組む自身が無い人や、作者が執筆した本来の意味を知るためには、
合理的に理解できて便利な本だろう。
 童話にあるガリバー旅行記の知識しかなければ、読後のイメージは大きく変わるだろう。
『ガリバー旅行記』は童話ではない ★★★★☆
『ガリバー旅行記』を知らない人はいないでしょうが、実際に読んだ事のある方はそれほど多くないと思います。童話だと思われている方も少なくないのでは。「小人の国」と「巨人の国」しか知らない方はぜひ、ご一読を。

「知っていますか」シリーズほど「お遊び」がないような気もしますが、阿刀田さんらしい味付けはきちんとされています。『ガリバー旅行記』だけでなく、スウィフトのもう一つの代表作である『貧民児救済案』や『奴婢訓』も紹介されているのは嬉しいです。特に『ガリバー』と『貧民児救済案』は欧米の学校では必読なので、日本人もそれなりの知識を得ておいて損はないと思います。