長編のシリーズキャラクターながら短編の少ない鬼貫警部の、初期短編と、長編化したために幻の作品となった原型の中篇を集めたシリーズ全3冊の3冊目。
「金貨の首飾りをした女」「夜の訪問者」「いたい風」「殺意の餌」「MF計画」「まだらの犬」「首」、そして、
『風の証言』の元となった中篇「城と塔」を収録。
すべて鬼貫警部らしい、アリバイ崩しの名作。
巻末に、二上洋一「旅から旅への旅烏・鬼貫警部」(『幻影城』収録のものを再録)、日下三蔵による解説、詳細な「鬼貫警部長編著作リスト」。このリストはとても詳しいので初版本探しをしたい人には役に立つ。
なお、このシリーズ3冊の装丁は京極夏彦withFISCO。