ももんじをもっと
★★☆☆☆
文庫書き下ろし。
ももんじ屋とは、江戸時代の「肉屋」のこと。江戸に何軒かあり、イノシシやウサギなどを扱っていた。場合によってはウシが出ることもあったらしい。獣肉を扱うということでアウトロー的な雰囲気があり、そのため、本書のような裏稼業のものたちを主人公とする時代小説になったのだろう。
歴史的な「ももんじや」に関心があって読んだのだが、その点では期待はずれであった。あまり参考にならないし、そもそも獣肉や料理の描写自体が少ない。
まあ、この点にはさほど期待はしていなかったのだが、時代小説としてもいまいちであった。敵討ち、ある藩内での対立、剣術の流派などが盛り込まれているのだが、なんだか話が不自然というか。鳥羽亮さんの作品を読むのは初めてだったのだが、うーむ。