プレゼンテーションは、話し方もさることながら提示する資料も当然重要である。図表やグラフを使うことにより、思考をより単純化し把握能力を広げることができるし、多面的な情報を集約し一元的に表示させることで、プロジェクトを容易に管理することもできる。このように、見せる・理解させる効果のある図表は、ビジネスに限らずさまざまな場面で有用である。

   本書は、グラフを中心とした図表の使い方を解説したものだ。さまざまな場面で有効な図やグラフの解説、図表に落とし込む際の考え方や切り口、さらに図表を効果的に見せるためのコツを解説している。ここで例として述べているのは、数字を使う資料の整理だけではなく、フローチャートによるプロジェクトの管理や大規模プロジェクトの日程管理なども含まれており、非常に広い範囲をカバーしている。また演習問題もついているので学習効果も高くなっている。図表作成に欠かせないExcel、Word、PowerPointを使った作図の方法についても解説されているのが魅力だ。

   本書はビジネスシーンに密着したつくりになっており、図表を作成するうえでのポイント解説もビジネスシーンを意識した内容になっている。プレゼン上手になりたいビジネスパーソンに、ぜひおすすめしたい1冊だ。（斎藤牧人）